2018年08月27日

No sooner で始まる文における than の省略と倒置について


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She had been on the phone to a friend when she noticed a strange smell start to spread through the house. No sooner had she escaped through the front door did flames start rising through the roof.

これは慶應大学・商学部の入試問題で2017年に出題された英文ですが、

did flames start rising through the roof

の箇所が倒置を起こしています。

本記事では、この文の適否について記します。

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posted by 石崎 陽一 at 06:20 | Comment(0) | 文法・語法ノート | 更新情報をチェックする

2018年08月26日

名詞の前に現れる過去分詞、使用の適否の基準


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形容詞の前置修飾と後置修飾の関係で the murdered man は可だが the killed man は不可という記述を見かけます。

なぜ the killed man が不可なのでしょうか。

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posted by 石崎 陽一 at 11:17 | Comment(0) | 文法・語法ノート | 更新情報をチェックする

2018年08月12日

母音上に付すストレス(強勢)を示す印の考案者


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『英語教育』2008年10月増刊号(p.47)より備忘のため書き留めておきます。


ストレス(強勢)を示すのに、母音字上に( ´ )印をつける先生が多いと思いますが、それを考案したのが岩崎民平(1892-1971)。彼は山口県に生まれ、後に東京外国語大学教授、同学長を歴任した英語学、音声学の大家で、すぐれた辞書編纂者でもありました。


この方式を初めて採用した市河三喜『英語発音辞典』(1934、研究社)の事実上の執筆者は岩崎。


posted by 石崎 陽一 at 11:30 | Comment(0) | 発音・アクセント・文字(の指導) | 更新情報をチェックする

2018年08月08日

大学での講義終わる


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先日、無事に今年度春学期も上智大学での講義をすべて終えました。

現在は成績をぼちぼちつけ始めています。


3年前より高校教育を一歩「外」から眺めるという何とも貴重な経験をさせていただいてます。

私自身、自分のやってきたことを振り返り、これまで気が付かなかった視点に気が付いたことが少なからずありました。

「教えるとは学ぶこと」というのはよく言ったものですねぇ…。

教える前提に立つと意識が変わると改めて実感しました。

受講生から直接・間接に教わることが多かったです。

それらを日常の教育に活かしていければと思います。


最終回に総括のコメントを受講生に書いてもらいました。
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posted by 石崎 陽一 at 16:12 | Comment(0) | 近況報告・雑感 | 更新情報をチェックする

2018年04月01日

「外科医」を表す二重語(doublet)


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『英語語源辞典』(p.1384)でたまたま、

「外科医」を意味する surgeon[sə'ːrdɜən]が、古語で「外科医」を意味する chirurgeon[kairə'ːrdɜən]と二重語(doublet)だ

と知り意外に感じました。

綴りも発音もまったく異なるからです。

(二重語とは、同じ語源の言葉が異なった経路を経て英語になった一組の言葉(あるいはその組の一語)を指して言う語です。)

興味をもち調べてみました。まとめておきたいと思います。

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posted by 石崎 陽一 at 14:45 | Comment(0) | 語源の話 | 更新情報をチェックする

2018年01月03日

アメリカのアマゾンで購入した電子書籍を日本のキンドルで読めるようにするには?


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アメリカのアマゾンで電子書籍を購入しました。

日本のキンドルで読めるようにするにはどうすればよいか、備忘のためまとめておきます。

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posted by 石崎 陽一 at 12:01 | Comment(0) | 印象に残ったこと | 更新情報をチェックする

2017年12月17日

サンスクリット語と日本語、英語の意外な関係


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サンスクリット語とは?


サンスクリット語は古代インドで用いられた文章語です。

古代文明の発祥地として高い文化を享受していたインドは、殷文明を誇った中国の民族と昔から通商などを通じての交流がありました。

仏教もまたインドから中国に伝えられたものです。

したがって、中国語にはサンスクリット語の外来語が豊富にみられます。

日本語とサンスクリット語の関係は?


サンスクリット語は、日本では梵語と呼ばれることが多く、大体は中国を経由して日本語に入っています。

仏教関係の言葉が圧倒的に多いです。

日本語に入ったサンスクリット語の例は?


ここでは主として今でもよく使われている梵語起源の日本語を挙げましょう。

難読と思われる語には読み仮名を添えます。


閼伽、阿闍梨(アジャリ)、痘痕(アバタ)、阿弥陀、韋駄天、優曇華(ウドンゲ)、盂蘭盆、閻魔、和尚、伽藍、瓦、袈裟、金毘羅(コンピラ)、三昧、支那、釈迦、娑婆、舎利、刹那、禅、卒塔婆、荼毘(ダビ)、陀羅尼(ダラニ)、達磨、塔、奈落、涅槃(ネハン)、鉢、般若、仏陀、菩薩、菩提、曼荼羅、夜叉(ヤシャ)などなど


中には日常用語として使われているものもあり、仏教文化がどれだけ国民の各層にしみこんだかを物語っているものと考えられます。

サンスクリット語と現代英語との関係は?


実は、寺や僧に金品を寄付する人を指す「檀那、旦那」もサンスクリット語に由来すると言います。

「檀那、旦那」という日本語は、もとを正せば、「布施」を表す dāna(原義は「与えること」)から来ているとのこと。

ところが、中国や日本では、「檀那、旦那」というと、「布施を与える人、施主、仏教の後援者」を指す言葉になりました。

(ちなみに、「布施をする人」を意味するサンスクリット語は dāna-pati です。pati は「主」を表します。)

そして、この dāna(与えること)はさらに「与える」を表す語根 dā にさかのぼります。

この語根 dā からは現代英語の donate(寄付する、寄贈する), donor(臓器提供者)などが生まれています。

公共の機関などに金品を「与える」のを donate と、臓器を「与える」人を donor と、英語では呼び慣わすに至っているわけですね。

また、文法用語の dative(与格)や、綴りは少し異なりますが「寄付する」の意の endow [indau] も同根です。


(追記1)

横井忠男『外来語と外国語』(現代ジャーナリズム出版会、1973年、p.10)より引いておきます。

梵語すなわちサンスクリットは、東洋系の言葉のように思われがちですが、実施兄は、ギリシャ語・ラテン語や大部分の近代ヨーロッパ語と同じく、印欧語族の一派に属し、比較言語学上非常に重要な位置を占めています。


(追記2)

新村出『外来語の話』(教育出版、1976年、p.67)より引いておきます。

漢訳仏経を経て日本に入ってきた印度の古語が非常に多いことは、今さら言う必要もないくらいで、その数量は、おびただしきに上り、その性質も、極めて重要な価値を持っているものが多いのである。(中略)梵語の「梵」というのも、これは印度全般の名称のように使われてきているが、実は「婆羅門」すなわち Brāhman を音訳したものであって、印度の婆羅門種族のみを指したものであった。それを「梵天」などと称して尊称としていたから、本来はそういう狭い意味であったものが、広く古代印度の敬称のように発展してしまったのである。


(追記3)

その他、本記事を執筆するのに以下の文献を参照しました。

中村元 編『仏教語源散策』
(東書選書、1977年、pp.193-4)

田中建彦『外来語とは何か』
(鳥影社、2002年、pp.162-4)

新村出『外来語の話』
(教育出版、1976年、pp.72-3)

楳垣実『日本外来語の研究』
(研究社、1963年、pp.42, 45)


(追記4)

関連記事はこちら。

東西の類似


posted by 石崎 陽一 at 16:26 | Comment(0) | 語源の話 | 更新情報をチェックする

2017年11月05日

冗語的な as の用法について


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2013年に行われた大阪医科大学の入学試験(英語)に次の一節があります。


Right from an early age, even before they can talk, people find that helping others is inherently rewarding, and they learn to be sensitive to who is helpful and who is not. Regions of the brain activated by helping are the same as those activated when people process other pleasurable rewards.

Anyone who assumes that babies are just little egoists who enter the world needing to be socialized so that they can learn to care about others is overlooking other tendencies as species-typical. Humans are born predisposed to care how they relate to others.



読者の方から下線部の構造についてご質問をいただきました。

以下に私なりの説明を記したいと思います。


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posted by 石崎 陽一 at 15:07 | Comment(0) | 文法・語法ノート | 更新情報をチェックする

2017年11月03日

The time will come soon when か The time will soon come when か


The_time_will_soon_come_when.PNG
(クリックすると拡大します)


posted by 石崎 陽一 at 00:17 | Comment(0) | 文法・語法ノート | 更新情報をチェックする

2017年09月12日

場面に合った構文の選択を


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いわゆる There is 構文は、聞き手に見えているものを指して使うことはできません。


例を挙げますと、木の上の鳥が、話し手には見え、聞き手には見えていないとき、話し手は


There is a bird in the tree.


と言うことができます。


しかし、会話する2人が鳥かごの鳥を見ながら話すとき、


There is a bird in the cage.


とは言えません。


たとえば、こうしたことを知らずに、聴衆に見えている図表を前に There is 構文を使ったらどうなるでしょうか。

発表の内容を理解してもらう以前に、英語のミスで信用を失う可能性すらあるのですね。


指導者としては、場面に合った構文の選択ができるよう、学習者に伝えていく心がけが大切だと思われます。


(追記1)

関連記事はこちら。

提示の there 構文


(追記2)

Google Books Ngram Viewer を用いることで、数百年前から今日までの書籍に現れる単語(2語以上ならそのフレーズ)の流行り廃りを時系列の折れ線グラフで見ることができます。

(関連記事はこちらをクリック。)

bird in the tree / on the tree の2つの言い方を Google Books Ngram Viewer にかけてみた結果が次の画面です。


bird_in_the_tree_bird_vs_bird_on_the_tree.JPG
(クリックすると拡大します。)



posted by 石崎 陽一 at 19:43 | Comment(0) | 文法・語法ノート | 更新情報をチェックする
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