2018年12月31日

英語の発音の地域差


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英語圏の中にもさまざまな地域があり、ネイティブスピーカーですら聞き取れないこともあると聞きます。

スコットランドを舞台にした映画 Trainspotting がアメリカで公開されたとき、同じ英語なのに字幕が付けられたというエピソードもあります。

もし英語圏での生活を考えるのなら、目指している国の出身者に発音を習っておくと無難でしょう。


posted by 石崎 陽一 at 19:34 | Comment(0) | 発音・アクセント・文字(の指導) | 更新情報をチェックする

2018年12月30日

否定辞 not の勢力範囲(作用域;scope)を考えると見えてくる意味のちがい


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否定辞 not の勢力範囲(作用域;scope)を考えると見えてくる意味のちがいというものがあります。


(1)He didn't marry her because she was rich.

(2)Because she was rich, he didn't marry her.



(1)では not は marry her because she was rich を打ち消していますので、「彼女がお金持ちだから結婚したわけではない」の意となります。

(2)では not は marry her を打ち消していますので、「彼女がお金持ちだから結婚しなかった」の意となります。



(3)You must not go there.

(4)You don't have to go there.



(3)では not が go there を打ち消していますので、「そこへいかないことをしなければならない」、つまり「そこへ行ってはいけない」の意となります。
 
(4)では not が have to go there を打ち消していますので、「そこへ行かなければならないことはない」、つまり「そこへ行く必要はない」の意となります。



(5)Happily, he didn’t die.

(6)He didn’t die happily.


(5)では not が die を打ち消していますので、「幸いなことに死ななかった」の意となります。

(6)では not が die fortunately を打ち消していますので、「幸せな死に方をしなかった」の意となります。



(7)The trains aren't often late.
(8)The trains often aren't early.


(7)では not が often を打ち消していますので、「列車は頻繁に遅れるわけではない」の意となります。

(8)では not が early を打ち消していますので、「列車は早く来ないことが頻繁にある」の意となります。



なお、to 不定詞の否定形や分詞構文の否定形も、

左から右に書かれる英語では、否定辞 not の勢力範囲は、原則として、not の置かれた位置から右方向に向かう

ことさえ理解していれば、ことさら覚える必要はなくなると思われます。


posted by 石崎 陽一 at 10:24 | Comment(0) | 文法・語法ノート | 更新情報をチェックする

2018年12月29日

発声の仕組み


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恩人はたくさんいますが、学部時代に音声学を教わった菅原勉先生の学恩に感謝しなければなりません。

先生の授業は振り返ると

「むずかしいことをやさしく」教える

究極だったと思います。


今でもノートを大切にとっていて折に触れて見返します。

見返していますと、新聞配達、チラシの折り込み作業、集金業務、新規顧客開拓のかたわら眠い目をこすってその日受けた先生の講義をノートにまとめていた当時を思い出します。

今回はノートから、発声の仕組みについて記します。


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(クリックすると拡大します)


声を出す大本の器官は声帯ですが、それは喉頭という上気道と下気道を境する部位にあります。

首を前方から見ると一般にのどぼとけといわれる突起がありますが、ちょうどその内側の位置です。

声帯は長さ1〜2cmの左右一対の器官で、呼吸時には大きく開き、発声時には閉じる動きをします。

閉鎖状態にある声帯が、肺からの呼気によって振動することで(成人なら一秒間に数百回の振動数)音が出ます。

この声帯振動によって生じた音は声帯原音と呼びますが、これ自体は弱々しく微弱な音でしかありません。

この声帯原音が声帯から上に続く付属器官腔(咽頭、口腔、鼻腔など)で共鳴して強められて初めて、我々の聞いているような声となるのです。


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声帯から発せられた弱々しい声帯原音は、口腔や咽頭で共鳴することで強められます。

ですから、口やのどを大きく開ければ共鳴腔が広がり、声帯に負担をかけずに強く遠く響く「よい声」が出る、というわけです。

逆にどなり声は、のどの筋肉に力が入り過ぎて共鳴腔が狭くなり、声帯に負担のかかる「悪い声」となる、というわけです。


posted by 石崎 陽一 at 19:09 | Comment(0) | 発音・アクセント・文字(の指導) | 更新情報をチェックする

Communicative Language Teaching は母語の使用を禁じていない


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R. Ellis 氏は Second Language Acquision (Oxford University Press, 1997, p.79) で次のように述べていますが、近年、日本でも、文法指導が軽視されている気がします。


More recently, however, language pedagogy has emphasized the need to provide learners with real communicative experiences. Communicative Language Teaching is premised on the assumption that learners do not need to be taught grammar before they can communicate but will acquire it naturally as part of the process of learning to communicate. In some versions of Communicative Language Teaching, then, there is no place at all for the direct teaching of grammar.


また、外国語学習における、母語の使用による効果も軽視されているように思えます。

しかし、Communicative Language Teaching は母語の使用を禁じてはいません。

Jack C. Richards 氏と Theodore S. Rodgers 氏による Approaches and Methods in Language Teaching(Cambridge University Press, 1986, p.67)に

Judicious use of native language is accepted where feasible.

とあります。

また、Audio-lingual Method が

Grammatical explanation is avoided.

とするに対し、Communicative Language Teaching は

Any device which helps the learners is accepted − varying according to their age, interest, etc.Ibid.)

とします。

さらに、Communicative Language Teaching は

Translation may be used where students need or benefit from it.Ibid.)

だと述べています。


posted by 石崎 陽一 at 18:46 | Comment(0) | 最近読んだ本からの気づき | 更新情報をチェックする

appeal to authority


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A.C.Baugh は18世紀の英語史の特徴を The Appeal to Authority と呼びその章題としました。

あるウェブサイトより、appeal to authority に関する説明を引いておきます。


When writers or speakers use appeal to authority, they are claiming that something must be true because it is believed by someone who [is] said to be an "authority" on the subject.


posted by 石崎 陽一 at 18:31 | Comment(0) | 英文法史 | 更新情報をチェックする

2018年12月28日

主な取材履歴・著書・講演実績等(随時更新)




備忘のために主な取材履歴・著書・講演実績等を記しておきます。以下の青字をクリックすると関連記事にジャンプします。



2018年12月
英語運用能力評価協会(ELPA)主催「英語教育フォーラム 2018 Part 3」 にて「大学入試改革をどう受け止める 〜公立・私立進学校の立場から〜」と題する座談会に講師の一人として登壇。開成中学校・⾼等学校の平⽥⼤悟先生とともに、東京外国語⼤学の根岸雅史先生からインタビューを受ける。会場の東京へ全国から中高教員、予備校講師、大学生が43名参加。


2018年7月
『英語教育』(大修館書店;2018年8月号)に「大学入試改革で高校の授業はどう変わる?」と題する座談会記事掲載


2018年5月
「社会へ・世界へ − 卒業生の活躍」と題する第V部(pp.199-201)に寄稿した 高柳 俊一・巽 孝之 監修, 上智大学文学部英文学科同窓会 編集『上智英文90年』(彩流社)の刊行


2018年5月
編集委員を務めた文部科学省 高等学校検定教科書 FLEX English Communication V(増進堂)の刊行

(Lesson 7 Lessons from History of Easter Island − Mistakes We Should Not Repeat の本文を執筆。なお、本教科書はマーク・ピーターセン先生がすべての英文を監修)


2018年4月
『GCD英語通信』(2018年4月号 [No.61])へ佐藤誠司『英文法、何を重点的に教えるか』(大修館書店、2017年)に関する書評掲載


2018年3月
一般財団法人沖縄県私学教育振興会主催「平成29年度研修事業 英語教員指導力向上対策事業研修会(第2回)」にて「英語での表現力を鍛える、高校での授業実践例」と題する講演を沖縄県の私学の先生方約30名を前に那覇にて実施


2017年12月
株式会社アルク主催「生徒の英語4技能を高める教材活用セミナー(大阪)」にて「4技能型入試で結果を出すための具体的活動とその指導展開〜『ユメブン1』を用いた授業実践例を中心に〜」と題する講演を国公立校・私立校の先生方約100名を前に大阪にて実施


2017年12月
株式会社アルク主催「生徒の英語4技能を高める教材活用セミナー(名古屋)」にて「4技能型入試で結果を出すための具体的活動とその指導展開〜『ユメブン1』を用いた授業実践例を中心に〜」と題する講演を国公立校・私立校の先生方約60名を前に名古屋にて実施


2017年11月
株式会社アルク主催「生徒の英語4技能を高める教材活用セミナー(札幌)」にて「4技能型入試で結果を出すための具体的活動とその指導展開〜『ユメブン1』を用いた授業実践例を中心に〜」と題する講演を国公立校・私立校の先生方約50名を前に札幌にて実施


2017年9月
イギリス国学協会編の学術機関誌『ASTERISK』(Vol.XXVI , 1〈通巻第107号〉, pp.30-31)に「渡部昇一先生を偲んで:In Remembrance of My Mentor, Watanabe-Sensei」と題する追悼記事掲載


2017年7月
株式会社アルク主催「第67回 英語の先生応援セミナー[高松]」にて「表現するための英文法を体得させる指導方法〜『ユメブン1』を用いた「英語表現」の授業実践例〜」と題する講演を国公立校・私立校の先生方、大学の先生約40名を前に香川にて実施


2016年5月
編集委員を務めた文部科学省 高等学校検定教科書 FLEX English Communication U(増進堂)の刊行

(Lesson 4 2100; A World with, or without, Sea Turtles? の本文を執筆。なお、本教科書はマーク・ピーターセン先生がすべての英文を監修)


2017年5月
株式会社アルク主催「第62回 英語の先生応援セミナー[名古屋]」にて「表現するための英文法を体得させる指導方法〜『ユメブン1』を用いた「英語表現」の授業実践例〜」と題する講演を国公立校・私立校の先生方約80名を前に名古屋にて実施


2017年3月
『英語教育』(大修館書店;2017年4月号)へ堀田隆一『英語の「なぜ?」に答える はじめての英語史』(研究社、2016年)に関する書評掲載


2016年12月
株式会社アルク主催「教材活用セミナー」にて「生徒の英語4技能を高めるための効果的指導方法 −『ユメブン1』を用いた授業実践例」と題する講演を国公立校・私立校の先生方約20名を前に富山にて実施


2016年12月
『英語教育』(大修館書店;2017年1月号)へ「学習・指導における英文法の威力」と題する記事(リレー連載「英文法の魅力と魔力」第4回)掲載


2016年11月
株式会社アルク主催「教材活用セミナー」にて「生徒の英語4技能を高めるための効果的指導方法 −『ユメブン1』を用いた授業実践例」と題する講演を国公立校・私立校の先生方約40名を前に札幌にて実施


2016年9月
『英語の先生応援マガジン』(アルク;2016年秋号)に「コミュニケーションを支える英文法指導のデザイン」と題する巻頭インタビュー記事の掲載


2016年9月
株式会社アルク主催「第46回 授業力UPゼミ コミュニケーション英語も英語表現も4技能統合型で展開する!」にて「アウトプットのための英文法を体得させる「英語表現」の指導」と題する講演を国公立校・私立校の先生方約50名を前に東京にて実施(受講者の方のご感想はこちらをクリック


2016年5月
編集委員を務めた文部科学省 高等学校検定教科書 FLEX English Communication I(増進堂)の刊行

(Lesson 4 Malala: Fighting for Women's Rights の本文を執筆。また、Lesson 9 Biomimicry − Inspired by Nature の本文を他の編集委員と2名で共同執筆。なお、本教科書はマーク・ピーターセン先生がすべての英文を監修)


2016年5月
株式会社アルク主催「第53回英語の先生応援セミナー 基礎定着を図るための効果的な指導方法と指導展開」にて「表現するための英文法を体得させる指導方法〜『ユメブン1』を用いた「英語表現」の授業実践例〜」と題する講演を国公立校・私立校の先生方約140名を前に大阪にて実施(受講者の方のご感想はこちらをクリック


2015年12月
一般社団法人福岡県私学教育振興会 主催「平成27年度英語教員指導力向上対策事業研修会」にて「高校1年生への文法指導の工夫」と題する講演を福岡県および沖縄県の私学の先生方約60名を前に博多にて実施


2015年8月
『英語教育』(大修館書店;2015年9月号)へ「essay writing の指導で生徒の学習意欲を高めるフィードバックの実践」と題する記事掲載


2014年8月
『英語教育』(大修館書店;2014年9月号)へ「英語史の知識から『なぜ?』に答える:生徒からの英語質問箱」と題する記事掲載


2014年6月
『Argument 研究と指導』(旺文社;2014年第1号(春号))へ「和文英訳の指導法」と題する記事掲載


2014年5月
『CHART NETWORK』(数研出版;73号)へ「語形成に注目させる語彙指導について」と題する小論掲載


2014年4月
NHKラジオテキスト『攻略!英語リスニング』において「英文法道具箱」と題する連載コラム執筆開始(2017年度に番組放送が終了するまで3年間継続)


2014年3月
朝日新聞夕刊(17日付)の「英会話、試験官はタブレット 英語話す力 測る試み」と題する記事(17面)へ取材協力

編集協力を行った文部科学省 高等学校検定教科書 MAINSTREAM English Communication V Strategic Reading Focus Advanced(増進堂)の刊行

編集協力を行った文部科学省 高等学校検定教科書 NEW STREAM English Communication V Strategic Reading Focus Standard(増進堂)の刊行


2013年3月
旺文社・大学受験パスナビと神田外語グループのコラボレーションサイト「英語のチカラ for Teachers」内にある『先生 熱血 Voice!』のコーナー(vol.19)へ「気づき × 英語 生徒に考えさせ、生徒と共に作る授業」と題する記事掲載


2012年6月
『Argument 研究と指導』(旺文社;2012年第1号(春号))に「伝えよう〜ユメの授業に向かって〜」と題する特別座談会記事掲載


2011年12月
『夢をかなえる英文法 ユメブン1』(共著、アルク)を出版


2011年10月
『CHART NETWORK』(数研出版;65号)へ「語源を用いた語彙指導の実践報告」と題する小論掲載


2010年10月
アルクのウェブサイト「英語の先生応援団」へ「アルク高校教材編集部レポートVol.44」と題する記事掲載


2010年9月
『VIEW21』高校版(ベネッセ)の「30代教師の『転』んでも『起』きる!」と題する頁にインタビュー記事掲載


2009年4月
『東大英語リスニングBASIC』(アルク)へ「将来に向けて何をすればよいのかではなく、自分は何がしたいのかを追求しよう」と題するコラム掲載


2008年8月
『夢をかなえる英単語 ユメタン1』(アルク)の「先生の語彙学習法」と題する頁へコラム掲載


2007年6月
読売新聞(29日付)の「携帯ゲーム機 授業に活用」と題する記事(27面)へ取材協力


2006年10月
東京都高等学校特別活動研究協議会(HR活動研究部)第2回 2部合同研究協議会にて文化祭指導に関する実践発表


posted by 石崎 陽一 at 09:24 | Comment(0) | 取材履歴・著書等 | 更新情報をチェックする

2018年12月27日

「because + 節」と「because of + 句」との言い換えの是非


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英和辞典では、because of は群前置詞だから名詞句を従え、because は接続詞だから節を従えるという形式面での説明しかなされません。

八木克正氏による次の記事は意味的な対応関係について言及し、貴重です。

「because+節」と「because of+句」(大修館『英語教育』2008年8月号 Question Box 欄)


(追記)

関連記事はこちら。

2013年の英語流行語大賞


posted by 石崎 陽一 at 19:49 | Comment(0) | 文法・語法ノート | 更新情報をチェックする

2018年11月03日

言語習得における母語の役割


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批判的応用言語学者・久保田竜子 女史の『英語教育幻想』(ちくま新書、2018年)より備忘のため書き留めておきます。


海外の応用言語学の潮流は、言語習得における母語の役割を重んじる傾向になります。これは、実証的・理論的・理念的な知見にもとづいています。(中略)授業を英語で行えば英語の習得が促進されるという確証はありません。(p.211)

授業をどの程度、どのように英語で行うべきなのかは、最終的に学習者の属性や学習環境も含めたそれぞれの状況によると言えます。生徒が理解できないのに英語だけで授業を進めても意味はありません。(pp.211-2)

従来から批判されてきたように、英語でできるところをすべて日本語で教えてしまっては英語習得につながりません。教師の判断力と指導の質が問われているといってよいでしょう。(p.212)


posted by 石崎 陽一 at 07:37 | Comment(0) | 最近読んだ本からの気づき | 更新情報をチェックする

2018年10月25日

Reading is to the mind what food is to the body. の構造


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Reading is to the mind what food is to the body. という英文の構造について、中村捷『発話型 英文法の教え方・学び方』(開拓社、2018年、p.65)は具体例を添えて成り立ちを説明しています。備忘のため書き留めておきます。


この文は次のようにして作られる。

(a)Food is nourishment to the body.(食べ物は身体への栄養である)

(b)Reading is nourishment to the mind.(読書は精神への栄養である)

(a)の nourishment を what に換えて文頭に移動すると what food is to the body ができる。これを(b)の nourishment に代入すると次の文が得られる。

(c)Reading is what food is to the body to the mind.

しかしこの文は不格好なので形を整えるために what food is to the body を文末に移動する。(中略)

(d)Reading is to the mind what food is to the body.



posted by 石崎 陽一 at 07:42 | Comment(0) | 文法・語法ノート | 更新情報をチェックする

2018年09月10日

複数名詞を伴った絶対最上級の1例、という捉え方


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〈the + 形容詞の最上級 + 複数形の名詞〉は、「最も〜なもののグループ」という意味を表す。その前に one of を置けば「最も〜なものの1つ[1人]」という意味になる。(『アトラス総合英語』(ピアソン桐原、2012年、p.259))


複数名詞を伴った絶対最上級の1例である。(木村明『英文法詳解』(培風館、1967年、p.240))


本来、最上級で表されるものはたった1つのものであるはずだが、英語の最上級は1つのグループを指すことがある。最上級がこの意味を表す場合は、〈one of the + 形容詞の最上級 + 複数名詞〉(最も〜のうちの1人[1つ])の形で使われる。one の代わりに some が使われ、「最も〜のうちの数人[いくつか]」の意味を表すこともある。(『ジーニアス総合英語』(大修館書店、2017年、p.269))


posted by 石崎 陽一 at 19:42 | Comment(0) | 文法・語法ノート | 更新情報をチェックする
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