2017年09月12日

場面に合った構文の選択を


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いわゆる There is 構文は、聞き手に見えているものを指して使うことはできません。


例を挙げますと、木の上の鳥が、話し手には見え、聞き手には見えていないとき、話し手は


There is a bird in the tree.


と言うことができます。


しかし、会話する2人が鳥かごの鳥を見ながら話すとき、


There is a bird in the cage.


とは言えません。


たとえば、こうしたことを知らずに、聴衆に見えている図表を前に There is 構文を使ったらどうなるでしょうか。

発表の内容を理解してもらう以前に、英語のミスで信用を失う可能性すらあるのですね。


指導者としては、場面に合った構文の選択ができるよう、学習者に伝えていく心がけが大切だと思われます。


(追記1)

関連記事はこちら。

提示の there 構文


(追記2)

Google Books Ngram Viewer を用いることで、数百年前から今日までの書籍に現れる単語(2語以上ならそのフレーズ)の流行り廃りを時系列の折れ線グラフで見ることができます。

(関連記事はこちらをクリック。)

bird in the tree / on the tree の2つの言い方を Google Books Ngram Viewer にかけてみた結果が次の画面です。


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(クリックすると拡大します。)



posted by 石崎 陽一 at 19:43 | Comment(0) | 文法・語法ノート | 更新情報をチェックする

2017年09月09日

英語の時制は二つか?


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時間関係を表す動詞の活用形を時制と呼んでいます。


英語には

現在時制(現在形=非過去形)



過去時制(過去形)

の二つしかなく、

未来時制なるものはない。


英語にあるのは、「未来時制」ではなく、

代用的・迂言的な「未来表現」

である

とされるのが一般的です。



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一方、大塚高信『英文法論考 − 批判と實踐』(研究社、1952年、pp.76-7)は

文法上の形態を屈折語尾に限ることは間違いで、

will, shall は形式語と見て、英語に未来時制があると考えることも可能である

という趣旨のことを述べています。


イェスペルセン(Otto Jespersen, 1860-1943)は have や be に過去分詞、現在分詞のついた完了形、進行形を(名称はともかくとして)認めているのだから、

同じ筆法で will, shall のついた動詞形を未来時制と呼んで悪い理由はないとの旨を記しています。


以上、備忘のため書き留めておきます。


posted by 石崎 陽一 at 22:38 | Comment(0) | 文法・語法ノート | 更新情報をチェックする

2017年08月08日

強調効果を生み出す − 語順の転倒


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日本語は、「が」や「を」といった助詞があるおかげで、単語の配列はかなり自由です。

例えば、

「その熊がその男性を襲ったんだ」



「襲ったんだよ、その男性を、その熊が」

などと語順を変えて言うことが可能です。


一方、英語には助詞がありません。

正しく意味を伝えるためには、単語の配列(語順)が大切になります。

The bear attacked the man.

という文を

Attacked the man the bear.

と言っても意味をなしませんし、

The man attacked the bear.

とすると、意味が全く逆になってしまいます。

「その熊が(the bear)」「襲った(attacked)」のように、英語では

主語の次に述語動詞を置く

のが普通の語順であり、この

普通の語順を変えるのは、決まった場合に限られる

のですね。



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私たちになじみ深いのは、疑問文をつくるときでしょう。


The bus was late. → Was the bus late?

The bus came late. → Did the bus come late?



こんなふうに、普通の語順が疑問文の語順になることを

語順の転倒

と呼んでいますが、実は、この語順の転倒は疑問文をつくるとき以外にも起こります。

次の例をご覧ください。


(1)I never dreamed of that.

(2)Never did I dream of that.


どちらも「今までそのことは夢にも思わなかった」という意味を表しています。

しかし、(2)は、never という否定語で文が切り出されているため、続く部分に語順の転倒が生じています

(2)の下線部が疑問文でもないのに疑問文の語順になっているのは、それが理由です。

別の例を見てみましょう。

「not only A but(also)B」(AだけでなくBも)という表現が使われています。


(3)The bus was late as usual. It not only came late, but today it broke down.

(4)The bus was late as usual. Not only did it come late, but today it broke down.


双方とも「バスはいつもどおり遅れた。遅れて来ただけでなく、今日は故障もしたんだよ」という内容を伝えています。

ところが、(4)では、(3)の文中にある not only という否定語句が文頭に出され、それに伴い、語順が転倒しているのがわかります。

このように、疑問文ではないのに語順の転倒が生じている場合、混乱しやすく、意味をとりにくくなるので、注意が必要です。

しかし、そもそも、なぜ、正常な語順をあえて変えるのでしょうか?



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それは、(3)〜(4)の例の場合、not only で文を始め、後続する部分に(疑問文でもないのに)語順の転倒を起こすことで、

not が否定するのは only なのだ

ということを明確にするためです。

そうやって

どの部分が否定の対象になっているか

をはっきりと示し、聞き手の注意を引きつけているわけです。

結果として、

文全体に強調効果を生み出す

ことにつながるのですね。


なお、「not only A but(also)B」(AだけでなくBも)という表現は、話し手がAよりもBのほうに重きを置いているときに用いる言い方です。

Aには話し手が「言うまでもないこと」として挙げる例が、Bに話し手が言わんとする内容がそれぞれ盛り込まれることまで押さえておくと、英文における情報の軽重や流れを的確にとらえることができるでしょう。


それでは、また。


(追記)

「語順の転倒」は「倒置」とも呼ばれます。


posted by 石崎 陽一 at 12:20 | Comment(0) | 文法・語法ノート | 更新情報をチェックする

2017年07月22日

目的を表すいろいろな言い方


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(1)「何々するために」と、ある行動・行為の目的を表すにはふつう to 不定詞を使います。

I stood on the chair to change the light bulb.(電球を換えるために椅子に乗った)

【注意】

「何々のために」という意味の英語に for という前置詞があります。前置詞の後ろには名詞・代名詞・動名詞が続きますから for doing とすればたしかに「何々するために」となりますが、この言い方はある物の使用目的をいう場合にのみ使うようにします。

This knife is for cutting cheese.(このナイフはチーズを切るためのものです)

This knife is used for cutting cheese.(同上)


(2)目的をもっとはっきり示す場合には in order to do や so as to do を使います。

I shut the window in order to keep out the insects.(虫が入らないように窓を閉めた)

I shut the window so as to keep out the insects.(同上)



(3)in order to do はやや文語的で、もっぱら「目的」を表します。so as to do は口語的で、「目的+結果」の含みをもっています。

I moved to a new apartment so as to be nearer to my work.((結果として)職場にもっと近くなるように、新しいアパートに引っ越した)


(4)よって so as to do を文頭で使うことは多くありません。

In order to appreciate this poem, you should read it aloud.(この詩を鑑賞するためには声を出して読むべきです)


(5)「何々しないために」という場合にはふつう not to do とはせず、in order not to do または so as not to do の形を使います。not の位置に注意してください。

Mike didn't say where he was going so as not to worry her.(彼女を心配させまいと、マイクは行き先を告げなかった)


(6)単に not to do とするのは以下のような限られた場合に限ります。

Take care not to fall.(転ばないように気をつけてね)

Be careful not to fall.(同上;ただし、こちらの言い方の方がふつう)

We're here not to talk but to act.(ここに集まったのは話し合うためではなく、行動するためだ)


(7)to 不定詞を使って目的を表す場合、to 不定詞の意味上の主語を表すには for 何々 to do または in order for 何々 to do を使います。

Fred stepped aside for her to pass.(彼女が通れるように、フレッドは脇へどいた)

Fred stepped aside in order for her to pass.(同上)



(8)このように文法上の主語(文全体の主語)と to 不定詞の意味上の主語が違うときは so that などの接続詞も使えます。so that はあとに助動詞 can, may; will が続きます。

Talk louder so that I can hear you.(聞こえるようにもっと大きな声で話してください)


(9)主節の動詞が過去形の場合には次のように過去形の could, might; would を使うことに注意が必要です(時制の一致)。

Lucy took a job so that her husband could continue studying.(夫が学業を続けられるように、ルーシーは働きに出た)

Lucy took a job for her husband to continue studying.(同上)



(10)口語ではthatを省略することもあります。

I gave him the key so he could move my car.(私の車を移動できるように、彼にキーを渡してやった)


目的を表すのに、so that の他にも for fear や in case という接続詞があります。


(11)「何々するのを恐れて」という意味で「何々するといけないから」という場合には for fear を使います。for fear は文語調ですが、will(would) を続けると口語調に近くなります。

My father doesn't travel by air for fear he will have a heart attack.(父は心臓発作を起こすといけないので、飛行機の旅行はしません)

I held her hand for fear she would fall.(彼女が倒れないように、私は彼女の手をつかんでいた;時制の一致に注意)



(12)「何々する場合に備えて」という意味で「何々するといけないから」という場合には in case を使います。in case は予防の意味を含みます。英英辞典を引くと、so as to be safe if (something happens) とあります。

Keep the window closed in case it rains.(雨が降るといけないから、(その予防として)窓を閉めておきなさい)



posted by 石崎 陽一 at 10:30 | Comment(0) | 文法・語法ノート | 更新情報をチェックする

2017年07月17日

日本語の「気づく」にあたる英語の動詞 realize, notice, recognize の使い分け


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次の日本語を(a)〜(c)のように英訳するとき、

「気づく」にあたる動詞 realize, notice, recognize をどのように使い分ければよいでしょうか?

外国に行ってはじめて日本の伝統文化の素晴らしさに気づく場合が多い。

(a) It is often not until you go abroad that you realize the greatness of traditional Japanese culture.

(b) It is often not until you go abroad that you notice the greatness of traditional Japanese culture.

(c) It is often not until you go abroad that you recognize the greatness of traditional Japanese culture.


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posted by 石崎 陽一 at 21:56 | Comment(0) | 文法・語法ノート | 更新情報をチェックする

2017年04月22日

less and fewer


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I've got less problems than I used to have.


という用例を挙げ、Michael Swan, Practical English Usage(OUP, 2016, p.169)は


In an informal style, less is quite common before plural nouns.


と認めた上で、


Some people consider this incorrect.


と注記しており親切です。


実際、私も


Which expression should we teach to students, fewer books or less books? (of course, on a prescriptive basis, the latter is not grammatically correct; on the other hand, nowadays, "less books" types of expression can often be found on various media.)


という質問をした際、インフォーマントの一人から


You should never teach “less books.” Besides being increasingly common, the ignorant use of “less” rather than “fewer” with respect to number is also laughed at and generally derided. In terms of the level of stupidity it suggests, it’s roughly equivalent to saying “I literally died laughing” rather than saying, hyperbolically, “I nearly died laughing.”


という助言を提供されたことがあります。


posted by 石崎 陽一 at 11:23 | Comment(0) | 文法・語法ノート | 更新情報をチェックする

2017年04月21日

関係代名詞 that の非制限用法


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関係代名詞 that の非制限用法について、Quirk et al., A Comprehensive Grammar of the English Language(Longman, 1985, p.1259)より備忘のため書き留めておきます。


A nonrestrictive interpretation is occasionally introduced by that when a premodifier or determiner would make a restrictive clause absurd, but when which, on the other hand, might imply too parenthetic a relation:

I looked at Mary's sad face, that I had once so passionately loved.[6]

In [6] we seem to have an elliptical form of an appositive expression:

I looked at Mary's sad face, a face that I had once so passionately loved.[6a]

Here the appositive a face justifies the restrictive clause that follows.

Usually the use of nonrestrictive that shows that a writer has muddled what he has wanted to set down, as in the following example from a serious article:

One of the most important recent developments in neutral hydrogen studies of our Galaxy has been the discovery of high velocities in the centre and in regions away from the plane, that I have mentioned.

Despite the comma − and the corresponding prosodic separation if this is read aloud (a separation that is essential if plane were not to be thought the antecedent head) − it seems likely that the writer originally wanted the relative clause to be restrictive, as it could readily have been if placed earlier:

... has been the discovery that I have mentioned of high velocities ...

However, this position of the relative clause violates the rule that prepositional phrases precede relative clauses as postmodifiers, producing a rhetorically unacceptable sentence.



posted by 石崎 陽一 at 09:26 | Comment(0) | 文法・語法ノート | 更新情報をチェックする

2017年03月29日

made of と made from の意味的分化の萠芽


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たとえば

This table is made of oak.

の of と

Wine is made from grapes.

の from とは対照的に考えられていますが、


大塚高信『英文法ノート』(泰文堂、1948年)は


of は off の weak form であり、off は分離の意味を示す語であるから、of もその意味を有つて居る。卽ち、現代英語だと 'from' に相當するのである(pp.58-9)

of の原義が 'from' であるのであるから、これら二つに意味の相違が出來たのは習慣上のことである(p.59)


と喝破し、John Milton(1608-74)のものしたラテン文典(1669年出版)に

made of と made from の意味的分化の萠芽

が認められると指摘しています。


posted by 石崎 陽一 at 19:47 | Comment(0) | 文法・語法ノート | 更新情報をチェックする

2017年03月26日

イギリス英語における、直説法による仮定法現在の代用


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(a)I insisted that he change his clothes.

(b)I insisted that he changed his clothes.


この2つの例文を挙げ、Quirk et al., A Comprehensive Grammar of the English Language(Longman, 1985, p.1015)は


insist を request の意味で用いる場合は後続の that 節内では仮定法現在を、

insist を assert の意味で用いる場合は直説法を用いる



と説明しています。

((b)は事実を主張するのですから、直説法を用いるのはごく自然です。)


ところが、その上で、次のような但し書きを付しているのが注目に値します。

曰く、如上の説明から


that 節内で仮定法現在の使われている(a)において insist が request の意で用いられているのは明らかだけれども、

that 節内で直説法の使われている(b)においてもまた、insist が request の意で用いられている可能性が半分はある



というのです。



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このように、『上掲書』(p.1182)は

insist に限らず、suggest, propose, recommend などの説得動詞(suasive verbs)に後続する that 節内で直説法の動詞が用いられる場合

を認め、

それは主にイギリス英語に限られる

と述べています。

つまり、冒頭に掲げた


(b)I insisted that he changed his clothes.


という、後続する that 節内に直説法を用いた文においても insist が request の意となり得るのは、

特にイギリス英語においてのことである

ということなのですね。

実際、Geoffrey Leech, Marianne Hundt, Christian Mair, and Nicholas Smith, Change in Contemporary English: A Grammatical Study(CUP, 2009)は


the indicative after suasive expressions is indeed a syntactic Briticism(p.57)


であり、


In spoken English, the indicative is used much more frequently than the subjunctive, whereas in written BrE, it is the least frequent alternative.(p.56)


であると指摘しています。(下線部は現筆者による。)


したがって、

説得動詞(suasive verbs)に後続する that 節には直説法の動詞は使用されない

かの如く述べることは控えたほうがよいと思われます。



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(追記1)

R.A. Close, A Reference Grammar for Students of English(Longman, 1975, p.47)は imagined action in the future を表す動詞として propose と recommend を取り上げて


(a)We propose[recommend]that Mr X should go.

(b)We propose[recommend]that Mr X goes.

(c)We propose[recommend]that Mr X go.


(a)We propose[recommend]that Mr X should be dismissed.

(b)We propose[recommend]that Mr X is dismissed.

(c)We propose[recommend]that Mr X be dismissed.


という3対の例文を挙げ、(a)は formal, (b)は informal, (c)は formal and typical of official style だと考えられると記しています。

綿貫陽・マーク・F・ピーターセン『表現のための実践ロイヤル英文法』(旺文社、2006年、p.204)は

(b)に相当する言い方について、「くだけた言い方」以外、とりわけ「書くときは避けたほうが無難」と指南しています。


(追記2)

B.D. Graver, Advanced English Practice(OUP, 1986)の第3版は

should in noun clauses after suggest, recommend, etc.

という項目を立て

Should is often used in a 'that' clause, after the verbs like suggest, recommend, require, decide, etc.

Should is sometimes omitted in such sentences, leaving only the infinitive without to.

The verb form is then sometimes 'regularized' to give the 'normal' sequence of tenses.

と指摘しています。

特に、上の2つ目の点において、「should が省略されて動詞の原形が残ることがある」という言い方がなされているのに目を引かれました。


(追記3)

(a)We insist that Marsha tell the truth.

(b)We insist that Marsha tells the truth.

(c)We insist that Marsha must tell the truth.

Lynn M. Berk, English Syntax(OUP, 1999, pp.149-50)は上の3つの文を挙げ、

(b)も(c)も伝える意味は(a)と変わらないが、この2つは subjunctive utterances ではなく、directives(指示)である

旨のコメントをしています。

なお、小西友七 編『現代英語語法辞典』(三省堂、2006年、p.636)には insisted に後続する that 節において must が用いられた例とともに「命令的な意味を表す will」が時制の一致を起こした例を挙げています。


(追記4)

Huddleston and G.K.Pullum, The Cambridge Grammar of the English Language(CUP, 2002, p.996)は

ambiguity between mandative and non-mandative clauses

という項目を立てています。


(追記5)

『詳説レクシスプラネットボード』(旺文社、2004年、pp.144-5)に興味深い統計データと分析が掲載されています。


(追記6)

Geoffrey Leech, Marianne Hundt, Christian Mair, and Nicholas Smith, Change in Contemporary English: A Grammatical Study(CUP, 2009, pp.51-70)で詳述されています。

ちなみに、本記事のタイトルは同書(p.54)の

Another variant, namely the indicative (e.g. I recommend that she uses fewer passives), is really only an alternative in BrE.

という記述から採りました。


(追記7)

千葉修司『英語の仮定法 − 仮定法現在を中心に −』(開拓社、2013、pp.19-20, 224-8)にも詳述があります。


(追記8)

「説得動詞(suasive verbs)に後続する that 節には直説法の動詞は使用されない」との誤解を招きやすい記述を有する書籍には、たとえば、友繁義典『英語の意味を極めるU − 動詞・前置詞編 −』(開拓社、2016年、pp.24-5)があります。


(追記9)

小西友七 編『現代英語語法辞典』(三省堂、2006年、p.636)は

(a)I insisted that he should stay in bed.

(b)I insisted that he stay in bed.

(c)I insisted that he stays in bed.

(d)I insisted that he stayed in bed.

という4例を挙げ、(a)の should stay は英米ともに堅い表現、(b)の stay は英米ともにくだけた表現、(c)の stay は英国のくだけた表現であり、(d)は過去のアリバイを主張していると説明しています。


(追記10)

Bergen Evans and Cornelia Evans, A Dictionary of Contemporary American Usage(Random House, 1957, p.484)より引いておきます。

In the United States the present subjunctive is almost always used here, as in I suggested he take it with him, we insisted that she get to work on time, it is imperative that he know the truth. In Great Britain this use of the present subjunctive is considered "pedantic." Englishmen prefer to use the auxiliary should as in I suggested he should take it with him. In the United States the simple subjunctive is the form used most often in natural speech. The construction with should appears too, but is felt to be "bookish" or "British."


(追記11)

稲田俊明『〈新英文法選書3〉補文の構造』(大修館書店、1993年、p.147)より引いておきます。

アメリカ英語で義務の仮定法が使われるところで、イギリス英語では直説法が使われる傾向がある(ただし be 動詞はイギリス英語でも直説法は避けられる)。

なお、「義務の仮定法」とは mandative subjunctive の同書における訳です。

ちなみに、柏野健次 編著『英語語法レファレンス』(三省堂、2010年、p.283)は「命令を表す仮定法」としています。


posted by 石崎 陽一 at 12:10 | Comment(0) | 文法・語法ノート | 更新情報をチェックする

いまは廃用となった say の不定詞付き対格(accusative with infinitive)の用法


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安藤貞雄『現代英文法講義』(開拓社、2005年、p.358)は


John is said to be a millionaire.


という英文は


* People say John to be a millionaire.


という「現在ではすたれている」構文に対応する受動文であると指摘し

Christopher Marlowe(1564-1593)が手がけたローマ詩人 Ovid の Amores の翻訳より


This thou wilt say to be a worthy ground.
(これこそは立派な分野だ、あなたは言うだろう)



という例を挙げ、

これはラテン語法(Latinism)でいまは廃用であるとする OED 第二版のコメントを付しています。


posted by 石崎 陽一 at 10:41 | Comment(0) | 文法・語法ノート | 更新情報をチェックする

2017年03月25日

事実ではなく「想念」を表す動詞のモード:仮定法現在


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まず最初に、「仮定法」という用語について確認しておきましょう。


仮定法は subjunctive mood を訳したものですが、少し前の文法書では subjunctive mode という用語も用いられていました。

この mode(やり方、方法)という語は日本語でもモードというカタカナ書きで使われるようになりました。

例えば、この記事を書いているパソコンには文字の入力モードがいくつかあります。

ひらがな入力モードや半角英数入力モードなどです。

またエアコンなどには消費電力を節約するための、プリンターにはインクを節約するためのエコノミーモードがついています。

入試を控えた中高生は受験モードに入っています。

こんな具合に、です。

いずれも普通とは違う「使い方」ですけれども、仮定法もこれと同じと考えてください。

すなわち、事実を事実として述べる普通の表現方法(直説法)とは異なり、

仮定法とは「頭の中のこと」「想念」を述べるのに用いるモード(動詞の形)ということなのですね。



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I insist that she leave at once.


Talmy Givón, English Grammar: A Function-Based Introduction, Volume U(John Benjyamins, 1993, p.275)より拝借した上の例文、

she という主語に対して leave という動詞の原形がきていても誤りではありません。

これはこの文全体の動詞が insist(求める)であり、この動詞に続く中身の部分(that 以下の内容)は要求した時点ではまだ現実になっておりません。

すなわち、要求内容というのは「事実」ではなく、「想念」である。

そのことを文法上で示すために用いられているのが leave という動詞の原形であり、このような動詞の原形の使い方を仮定法現在と呼んでいます。

このように、英語では、モード切替によって、すなわち、動詞の形を通して、気持ちの機微を伝えることができるというわけですね。


英語を聞くとき、読むとき、仮定法がわかれば、話し手の気持ちが実感をもって理解できます。

英語を話すとき、書くとき、仮定法が使えれば、自分の気持ちを正確に伝えることができます。

学んだことを、ぜひ実践でも利用してみてください。


それでは、また。


(追記)

たとえば18世紀のいくつかの英文法書において、すでに mood ではなくて mode が使われていました(関連記事)し、20世紀半ばでも Bergen Evans and Cornelia Evans, A Dictionary of Contemporary American Usage(Random House, 1957, pp.483-6)が subjunctive mode という項目を立てて英語における「法」を解説しています。


posted by 石崎 陽一 at 16:11 | Comment(0) | 文法・語法ノート | 更新情報をチェックする

2017年03月20日

hundreds of … の指すものの数


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『研究社 英語の数量表現辞典 増補改訂版』(研究社、2007年、p.23)より備忘のため書き留めておきます。


英語では 1600 を sixteen hundred と表現することがあるので hundreds of … の指すものの数が 1000 を超えることもある。thousands of … は数万程度まで、millions of … も数千万程度まで含みうる。また、桁にとらわれず漠然と「莫大な数の」の意味でこれらの表現を使うこともある。


(追記)

『上掲書』には tens of, hundreds of, thousands of, tens of thousands of, hundreds of thousands of, millions of, tens of millions of, hundreds of millions of, billions of など漠然とした大きな数が一覧になっており便利です。


posted by 石崎 陽一 at 16:04 | Comment(0) | 文法・語法ノート | 更新情報をチェックする

関係副詞の非制限用法で、why や how を用いたいとき


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安井稔『英文法総覧』(初版;開拓社、1982年、p.135)が


関係副詞の非制限用法は、when と where に限られるが、why や how を用いたいときには、for which reason, in which などをもって代用させる


と指摘していてハッとしました。


posted by 石崎 陽一 at 15:57 | Comment(0) | 文法・語法ノート | 更新情報をチェックする

2017年03月15日

many / most of the students の違い


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many と most の違いについて、友繁義典『英語の意味を極めるT − 名詞・形容詞・副詞編 −』(開拓社、2016年、pp.43-4)は次の例を挙げて説明しています。


(a)Many of the students passed the exam.

(b)Most of the students passed the exam.


たとえば、ある先生が難しい試験を100人の学生に課したとします。

この先生は30人程度が合格すればよいところであると考えていたとします。

しかし、その予想に反して45人が合格したとすれば(a)のように言えます。

一方、95人が試験に合格した事実をそのまま伝えるには(b)のように言います。


このように、

most は全体の中で占める比率が過半数(大部分)だと客観的に述べる場合に用いる

のに対し、

どれだけの比率なら many と言い得るかについては、話し手の主観的な見方も交えて文脈によって異なる

と説いて明快です。


(追記)

関連記事はこちら。

a few について(その1)


posted by 石崎 陽一 at 17:05 | Comment(0) | 文法・語法ノート | 更新情報をチェックする

2017年03月06日

「私は彼らを怒らせるようなことは一切言わないように気をつけた」という日本語の英訳


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私は彼らを怒らせるようなことは一切言わないように気をつけた。

という日本語を以下のように英訳するとします。


さて、以下の(a)〜(f)の英訳、それぞれの適否はどうでしょうか?

(a)I was careful to say nothing that made them angry.

(b)I watched my tongue so as not to say a single word that would make them angry.

(c)I was careful not to say anything to make them angry.

(d)I was careful not to say what would made them angry.

(e)I paid attention so as not to say anything that would make them angry.

(f)I was careful about not saying any words that would make them angry.


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posted by 石崎 陽一 at 20:01 | Comment(0) | 文法・語法ノート | 更新情報をチェックする

2017年03月05日

a headache と my headache


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2日間頭痛が続いている。


という日本語を以下のように英訳するとします。


さて、以下の(a)〜(d)の英訳、それぞれの適否はどうでしょうか?


(a)I have had a headache for two days.

(b)I have been suffering from a headache for the last two weeks.

(c)My headache has lasted for two days.

(d)Headache has lasted for two days.

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posted by 石崎 陽一 at 19:10 | Comment(0) | 文法・語法ノート | 更新情報をチェックする

2017年02月28日

keep an eye on something という表現について(その2)


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豊田昌倫『キングズ・イングリッシュへの旅』(サンケイ出版、1980年、pp.185-6)は

keep an eye on something

という表現を

単数で概念を表す例

として取り上げ、

She has an ear for music.(彼女は音楽がよくわかる)



Excuse me, but will you give me a hand?(すみませんが、ちょっと手をかしてください)

など、単数名詞が抽象的な意味をもつ類例を添えています。


(追記)

『上掲書』は上例の a hand について、次のようにコメントしていて興味を引かれました。

この単数は元来「片手」を意味していたようです(日本語の「片手間」と比較してください)が、ついで「片手を使ってできるぐらいの助力、ちょっとした手助け」と抽象的な意味をおびるにいたりました。


posted by 石崎 陽一 at 23:01 | Comment(0) | 文法・語法ノート | 更新情報をチェックする

keep an eye on something について(その1)


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戻ってくるまでこのスーツケースから目を離さないようにしてくれますか。


という日本語は以下のように英訳することができます。


Could you watch over this suitcase until I get back?

Would you mind watching this suitcase until I return?

Could you pay attention to this suitcase until I come back?

Will you keep an eye on this suitcase until I am back?

Will you keep your eye on this suitcase until I am back?


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上例の最後の2つで用いた

keep an eye on something



keep one's eye on something

という言い方は

keep something under general observation

の意で、この手の「見守る」系の表現に適しています。


なお、たしかに

keep one's eyes on something

という言い方はありますけれども、

こちらは

continue watching something for any significant changes

の意で、冒頭の日本語の英訳に用いると

Watch this suitcase! I think it’s going to try to escape!

といった内容を伝えることになってしまいますので注意が必要です。


posted by 石崎 陽一 at 22:49 | Comment(0) | 文法・語法ノート | 更新情報をチェックする

2017年02月24日

『英文読解の透視図』テーマ43に関する覚書(その2)


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篠田重晃・玉置全人・中尾悟『英文読解の透視図』(研究社、2006年、第13刷、p.197)に次の英文が収載されています。


Television has opened windows in everybody's life. No newspaper has ever reached so many people and shown so clearly what was happening right now in their own country and everywhere else.


前記事において、文法上、下線部の was happening を is happening に修正する必要性を指摘しましたが、

それに加え、内容上、おそらく、次のように全体を書き換えねばならないと思われます。


Television has opened windows in most people’s lives. No newspaper has ever reached so many people or shown so clearly what is happening right now in their own countries and in other places in the world.


なお、下線部の「言い換え」としては


Television has made it possible for almost everyone to see much more of the world.


などが考えられるでしょう。


posted by 石崎 陽一 at 19:35 | Comment(0) | 文法・語法ノート | 更新情報をチェックする

『英文読解の透視図』テーマ43に関する覚書(その1)


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篠田重晃・玉置全人・中尾悟『英文読解の透視図』(研究社、2006年、第13刷、p.197)に次の英文が収載されています。


Television has opened windows in everybody's life. No newspaper has ever reached so many people and shown so clearly what was happening right now in their own country and everywhere else.


文法上、下線部の was happening は is happening に修正する必要があると思われます。


posted by 石崎 陽一 at 19:29 | Comment(0) | 文法・語法ノート | 更新情報をチェックする
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