2017年11月05日

冗語的な as の用法について


IMG_1134.jpg



2013年に行われた大阪医科大学の入学試験(英語)に次の一節があります。


Right from an early age, even before they can talk, people find that helping others is inherently rewarding, and they learn to be sensitive to who is helpful and who is not. Regions of the brain activated by helping are the same as those activated when people process other pleasurable rewards.

Anyone who assumes that babies are just little egoists who enter the world needing to be socialized so that they can learn to care about others is overlooking other tendencies as species-typical. Humans are born predisposed to care how they relate to others.



読者の方から下線部の構造についてご質問をいただきました。

以下に私なりの説明を記したいと思います。


−−−−−−


as には比較・区別・対立の対象を限定して明示する用法があります。

次の諸例をご覧ください。

humans as different from wild animals

Mt. Fuji as seen from Suruga Bay

her life as we know it


このように、as には、限定を含意する使い方があるのですね。


さて、ご質問の

tendencies as species-typical 

の箇所ですけれども、

これは、単に、意味的に

species-typical tendencies 

として済むところ、済ましていないのは、やはり、as を添えて限定を含意させたいからだと考えられます。

そして as を添えた結果、as species-typical は句になりますので、名詞の後ろに据えられている、というわけです。

冒頭に挙げたいくつかの例と同じく、日本語に訳出はしづらいですが…。


(追記1)

「as は限定を含意」し「比較・区別・対立を表す語の前」に置かれるという文言は江川泰一郎『英文法解説』(金子書房、1991年、§262, §286 A(3))に依拠しています。


(追記2)

例えば、

Marc H. Bornstein, Martha E. Arterberry, & Michael E. Lamb, Development in Infancy: A Contemporary Introduction(Psychology Press, 2013, p.33)に

Species-typical tendencies are those that all humans share.

という記述が見えます。

また、

Douglas P. Fry ed., War, Peace, and Human Nature: The Convergence of Evolutionary and Cultural Views(Oxford University Press, 2013, p.E)では

Species-typical tendencies normally include built-in rewards.

と述べられています。


posted by 石崎 陽一 at 15:07 | Comment(0) | 文法・語法ノート | 更新情報をチェックする
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