
時間関係を表す動詞の活用形を時制と呼んでいます。
英語には
現在時制(現在形=非過去形)
と
過去時制(過去形)
の二つしかなく、
未来時制なるものはない。
英語にあるのは、「未来時制」ではなく、
代用的・迂言的な「未来表現」
である
とされるのが一般的です。

一方、大塚高信『英文法論考 − 批判と實踐』(研究社、1952年、pp.76-7)は
文法上の形態を屈折語尾に限ることは間違いで、
will, shall は形式語と見て、英語に未来時制があると考えることも可能である
という趣旨のことを述べています。
イェスペルセン(Otto Jespersen, 1860-1943)は have や be に過去分詞、現在分詞のついた完了形、進行形を(名称はともかくとして)認めているのだから、
同じ筆法で will, shall のついた動詞形を未来時制と呼んで悪い理由はないとの旨を記しています。
以上、備忘のため書き留めておきます。