2017年08月24日

神話と自然哲学の関係


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来週から始まる夏期講習会で1989年に実施された京都大学(法B)の入学試験問題の英文を扱います。

出典は François Jacob, The Possible and the Actual(1982)の Myth and Science と題する章の一節です。

予習の一環に神話と自然哲学の関係について以下にまとめました。

自然哲学は神話の批判として生まれた、というのが肝です。

主な参考書に次の2冊を使用しました。

● R.G.コリングウッド著/平林康之・大沼忠弘 訳『自然の観念』(みすず書房、1974年)

● 伊東俊太郎『文明における科学』(勁草書房、1976年)



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人間は生まれながらにして真理を知りたいという根源的な欲求を持っています。

「この世界とは何なのか」
「世界はどのように生じたのか」

「人間とは何なのか」
「人間はどのように生きるべきなのか」


こうした問いに対する答えを知りたいという欲求に最初に応えたのが、神話です。


なかでも有名な神話のひとつがギリシャ神話です。

ゼウスという最高神とそれ以外の神々の働きと結びつきによって、世界の在り方や人間の生き方が説明されました。


このように、

物事は神々の働きによってもたらされるという考え方(神話的世界観)

が古代ギリシャの人々を支配していました。


ところが、そんな中、そうした神話による説明では満足できない人たちが現れます。


それが哲学者です。


(なお、「哲学」というと何やら難しそうですが、とにかく真理を知りたいということで、自らに問い、答えを求めて考え続けるその過程、プロセスのことを哲学と呼んでいます。)


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今からおよそ2500年前、ヨーロッパで最初の哲学者たちが登場しました。

紀元前6世紀頃(日本では縄文時代の頃)、最初に出てきた哲学者たちは自然を考察しました。

初期の哲学者たちは自然を考察する自然哲学者だったのですね。

彼らは既存の神話をもちださず、つまり、神(々)を前提とせず、

自らの観察と思索によって、この世界を読み解こうとしました。

神に代わる万物の根源は何か

を古代ギリシャの自然哲学者たちは考えたわけです。


(追記)

ちなみに、この「根源」を古代ギリシャの自然哲学ではアルケー(ἀρχή:arkhḗ)と呼んでいました。

現代英語では archaeology(考古学)や archaic(初期の;古代の;古風な、旧式の;古語の、懐古的な)という語に残っています。

「根源」➜「初期」➜「古」という連想が働いたのでしょう。


posted by 石崎 陽一 at 12:28 | Comment(0) | 日々の授業 | 更新情報をチェックする
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