2016年08月31日

英語が役に立つようにするためには


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小川芳男『英語教育と国際交流』(平明社、1980年)より備忘のため書き留めておきます。


英語が役に立たないというのは英語は技術学科であるにもかかわらず技術として英語を覚えなかったからである。つまり英語に関する講義は聞いても英語を実践しなかったからである。それはちょうど水泳をやる人が水泳の講義だけ聞いて実際に水の中にはいって泳がなかったり、ピアニストがピアノの話を聞いて実際にピアノを弾く練習をしなかったようなものである。とにかく実践しなかった英語が役に立たないのはむしろ当然である。それでは役に立つように実践すればよいよいうことになるが水に縁のない土地の水泳やピアノを持たない人のピアノの練習に似ていて、四六時中日本語を話す環境にいて英語を実践することはそんなに簡単ではない。(中略)したがって役に立つようにするためには学習者が努力して実践する以外にない。(p.238)

教授法は学校差や、地方差や個人差による修正を加えてはじめてその真価を発揮することになる。この修正を加えるのは主として教師であるが、最終的には学習者個人の責任である。しかし自分の長所や短所を適格に見極めることは学習者には困難であるから結局は良い教師を得ることである。(p.238)

教授法というのは(中略)技術を習得するという面からみると個人個人に即した学習法でなくてはならぬ。英語に「甲の薬は乙の毒」という諺があるが、甲にとって最良の教授法が乙にとって最良の教授法とはいえない。(p239)


(追記)

『上掲書』(pp.264-6)は MIT(Massachusetts Institute of Technology)から出版された You and Your Students という pamphlet に触れ、

このアメリカ第1級の大学の教師を対象に書いた本が実に細かくかつ具体的に教室内の指導法を述べているのである。それはほとんど teaching methodology の本といってもよいほどのものである

と指摘しています。

小川芳男『英語随想』(学校法人佐野学園神田外国語大学、1987年、p.147)にもこの「教師必携書」について言及があります。

なお、この手引に関しては、私は現物を未見ですが、柳沢 正圀(やなぎさわ まさくに)氏が『化学教育』第19巻第2号(社団法人日本化学会、1971年)に

You and Your Students(MIT)の紹介

と題する紹介記事を書かれていることをのちに知りました。


posted by 石崎 陽一 at 14:02 | Comment(0) | 教師論・学習指導・進路指導 | 更新情報をチェックする
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