2015年09月21日

of King Arthur fame という句における名詞句 King Arthur の働きについて


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次のような質問を頂戴しました。


『攻略! 英語リスニング』2015年9月号、Lesson 21 Stonehenge に次の一節があります。


I always thought it was just a religious site, but apparently it’s a burial site. There’s also this great story, courtesy of the twelfth-century writer Geoffrey of Monmouth and his History of the Kings of Britain, that it was Merlin − you know, of King Arthur fame − who brought the stones to Salisbury Plain using magic. And from Ireland! Geoffrey says the stones originally got to Ireland from Africa, brought there by giants. I know it’s not true, but part of me just wants to believe it.


上の英文の下線部 of King Arthur fame における fame はどんな使われ方をしているのでしょうか。



以下に私なりの回答を記したいと思います。


−−−−−−


ご指摘の fame は of King Arthur fame でひとまとまりを成していまして、全体として

famous for King Arthur(アーサー王伝説で有名な)

というほどの意味です。

of には「何々を有している」という意味があり、ある英英辞典は having と言い換えて示しています。

ですから、of fame で「名声を有している」すなわち famous の意味を表すのですね。

そして、fame の前に付いた King Arthur はもちろん名詞ですけれども、

名詞である fame の前に置かれて臨時に形容詞として振る舞っていると考えられます。

(これを、形容詞相当語(adjective equivalent)として働いている、と専門用語では言います。)

すなわち、形式上は、a stone house における stone のように、

King Arthur は fame を修飾する形容詞の働きをしている

と考えられるわけですね。

お示しの英文は you know という台詞からわかる通り、informal なスタイルです。

このような会話体では、このように、名詞を臨時に形容詞相当語として用いるのはよくあることです。

決して珍しいことではないということをこの機会に押さえておきましょう。

ただし、解釈上は、of fame で famous の意にとるのに伴いまして、

名詞 fame を修飾している King Arthur は、

ひとまとまりで、形容詞 famous を修飾する、副詞の働きをしている

すなわち、

「アーサー王伝説で(for King Arthur)」を意味している

と考えることになります。


(追記1)

King Arthur でアーサー王伝説を表すなど、あるものをそれと関係のあるもので表現することを、専門用語で metonymy(換喩)と呼んでいます。

日本語でも「いま村上春樹を読んでいてさ」などと言いますよね。

(追記2)

高梨健吉『英語の先生、昔と今 − その情熱の先駆者たち』(日本図書ライブ、1985年、p.118)に、高梨氏が東京高師文三に入学して英文法を大塚高信氏に教わった際の講義ぶりが氏の日記より再現されています。

the then Prime Minister(当時の首相), the under side of the table(テーブルの下側)の then や under は臨時に形容詞として用いたので、形容詞ではない、副詞である。擂鉢は擂るばかりが働きではない。中に豆腐を入れて置いてもいいのと同じだ。軍隊に譬えるならば、部隊長は職名であり、形容詞の働きをするとしよう。大尉や曹長は、いわば品詞であり、場合によっては部隊長の代わりになって働くことができる。すなわち then は品詞は副詞だが、形容詞の働きもできるのである。諸君は高等師範を卒業すれば、中学校教諭の資格が与えられる。「中学校教諭に任ズ」となる。しかし小学校教師の働きをしてもよいのである。そのときは「小学校訓導ニ補ス」となる。この臨時の働きがあまり永くなると本職となってしまう。

(追記3)

冒頭の英文の訳例を記しておきます。

ずっと宗教的な建造物だと思っていたんだけど、どうやら亡くなった人の埋葬場所みたいだね。すごい話があってさ、12世紀の作家、モンマスのジェフリーの『ブリトン王の歴史』によればだよ、何とマーリン − 知ってるだろ、アーサー王伝説に出てくる − がソールズベリー平野に魔法を使って石を運んだんだってさ。何とアイルランドからね! ジェフリーが言うには、そもそもあの石は、アフリカからアイルランドまで巨人が運んだものなんだって。本当のことじゃないってわかってるけど、その話を信じたいなーって気もするんだよね。



posted by 石崎 陽一 at 20:31 | Comment(0) | 文法・語法ノート | 更新情報をチェックする
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