2015年08月14日

高3における和文英訳の指導法(その3)


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先のエントリーで、和文英訳に際しては、


内容把握(吟味)を経て、あくまでも仲介者として、与えられた日本語をどう言い換え、自信を持って自分が使える英語で表現するか


に意識を向けさせていると記しました。


今回は、例を用いて上で述べた事柄を具体的に示したいと思います。


まずは筆をお執りになり、ご自身で解答を作ってみてください。


昔は同じ町内に怖い大人が必ず何人かいて、子どもが人として恥ずかしいことをすると、いつも本気になって説教してくれたものである。
(2002年・京都大学前期試験)


−−−−−−


【解答・解説】


1.解答のポイント


まずは筆者が伝えたい内容の把握に努めよう。


2.着眼点と重要語句&表現


● 過去の話をしているので、時制は過去形をベースに据える。近所の子供に対して地域社会の中で大人の担う役割が様変わりしている。そのように「現在との対比」を読み取れば used to を用いる。


● 筆者は厳しい大人を肯定的なイメージで捉えており、「怖い」は否定的な含みのある scary や frightening ではなく、strict を用いたい。


● 「同じ町」の「町」は city や town の他、「地域社会」と考えれば community も可。「同じ」をthe sameとするとこの文より前の箇所で町についての言及があるという前提で、その町と同じということになってしまうので不可。また、「怖い大人がどの町にもいた」 ということだから every や each を用いて表したい。なお、「同じ町内」を「近所」と解釈すれば one's neighborhood も可。


● 「人として」は、ここでは人間のことだけを問題にしているのは明らか。わざわざ as human beings などとするのは不自然なのであえて訳さなくてよい。


● 「恥ずかしいこと」は shameful を使ってもよいが「恥ずべき」となり大げさ。 「正しくないこと、悪いこと」などと解し、wrong または bad、もしくは両方(wrong or bad)を用いて表すのが自然。


● 「本気になって」は「厳しく」なら strictly と、「まるで彼らが自分の子どもであるかのように」ならas if they were their own と表せる。


● 解答例【1】のように、 過去の回想として述べるには would を用いる。


3.解答例


ネイティブチェック済です。なお、2つとも高1における和文英訳の指導法の記事において学習ポイントの説明に用いる例としてご紹介した文を活用しています。


【1】In the past, every community had some adults who were strict with children. They would always scold children as if they were their own when they did something wrong.

□ 語句 be strict with A「Aに厳しい」


【2】There used to be some strict adults in my neighborhood when I was young. Whenever they saw kids doing bad things, they strictly told them not to.


posted by 石崎 陽一 at 20:18 | Comment(0) | 作文の学習・指導 | 更新情報をチェックする
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