2014年12月28日

hang up という句動詞について


www.lowes.com
(retrieved from:http://is.gd/mXwwg0


hang には何かを「(展示のために)掛ける」の意があります。


She is hanging a picture up on the wall.
(この女性は絵を壁に掛けているところです)



このように、up と一緒に用いることが多いのですけれども、この up には


低い位置・レベル・基準などから
高い位置・レベル・基準などに動くこと



を基本的意味に含んでいるとされます。

つまり、up は「固定の方向」を説明しているわけですが、これには、上の写真からも、頷けますね。

ちなみに、


She is hanging up a picture on the wall.


のように、

up が a picture という目的語を飛び越えて前進し、動詞と直結する場合も散見されます。



www.onemoregadget.com.jpg
(retrieved from:http://is.gd/FBPRWd



同様に、「コートをフックに掛ける」は


hang up a coat on a hook


と言えますし、


「電話を切る」を


hang up the phone


と言うのも納得がいきます。

すなわち、壁掛け型の電話(wall phone)が用いられていた頃、電話を切るために受話器を置くには、壁に取り付けてあった受話器台に受話器を掛けることになっていたのですね。

(なお、上例の the phone とは the phone receiver(受話器)のことです。)



www.etsy.com
(retrieved from:http://is.gd/0Io1Cu



(追記1)

up という不変化詞(particle)には

低い位置・レベル・基準などから高い位置・レベル・基準などに動くこと

という基本的意味が備わっているとの記述はクリストファ・バーナード『バーナード先生のネイティブ発想・英熟語』(プレイス、2003年、p.89)より引用しました。


(追記2)

「電話をかける」の「かける」はどういう漢字を書くのかという疑問に関して、飯間浩明 氏による記事を興味深く拝読しました。


(追記3)

白川静『常用字解』(平凡社、2003年)より備忘のため書き留めておきます。

「架」という漢字は

加に加えるの意味があり、木(二本の柱)の上にかけ渡すもの、またかけ渡すことをいい、「たな、けた、かける」の意味に用いる(p.44)

とされ、

架橋、高架、書架、担架

などの用例があります。

一方、「掛」という漢字は

わが国では上から物をかけて垂らす(中略)の意味に使う(p.46)

とされ、

掛画(かいが)、掛軸

などの用例があります。


posted by 石崎 陽一 at 11:32 | Comment(0) | 語彙の学習・指導 | 更新情報をチェックする
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