2014年09月23日

たいいくかん ➔ たいくかん


haplology.png



Yes, sir. の発音 [jéssə] が [jésə] になったり、

next time の発音 [néksttaim] が [nékstaim] になったりすることがありますね。

このように

同音が連続する場合に、これを1回で済ますこと

を専門用語で haplology(重音脱落)と呼んでいます。

一種の発音の簡便化、労力の節約によるもので、

humbly, idly, nobly, simply

などに加え、

literary, temporary

の他、冒頭の画像に上げられた諸語に見られるように、

隣接する類似音節や音の一方を省略すること

も haplology(重音脱落)と称します。

歴史的には、英語史でしばしば起こりました。

eighteen, fortnight, Miss, Gloucester, Poland

などは haplology によって生じた異形が標準形として定着することで生まれたものと考えられています。


(追記1)

haplology を haplogy と、hippopotamus を hipotamus と、philology を philogy と、repetition を repetion と、Mississippi を Missippi と、それぞれ書き誤る現象は haplography(重字脱落)と呼ばれています。


(追記2)

haplology の下線部は single, simple(単一の、単純な)の意の連結形。

次のような遺伝学用語、生物学用語を生み出しています。

haplosis((減数分裂による)染色体半減)
★減数分裂では1つの細胞から半数の染色体を持つ4つの細胞が生じる。

haploid(一倍体、半数体、ハプロイド)
★通常の二倍体の半分の染色体数をもつ細胞や個体。

haplont(単相体、半数体;単相植物、単相生物)
★体細胞中に基本数の染色体数をもつ個体。

haplophase(単相、半数相)

また、医学用語では

haplopia(単視、正常視)

という眼科用語が出ています。


(追記3)

本記事の執筆に際し、以下の文献を参照しました。

『英語学辞典』(研究社、1940年)
『現代英語学辞典』(成美堂、1973年)
『新英語学辞典』(研究社、1982年)
『英語語源辞典(縮刷版)』(研究社、1999年)
『グランドコンサイス英和辞典』(三省堂、2001年)
『リーダーズ英和辞典 第3版』(研究社、2012年)
『科学英語語源小辞典』(松柏社、1999年)


posted by 石崎 陽一 at 05:26 | Comment(0) | 発音・アクセント・文字(の指導) | 更新情報をチェックする
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