2014年08月22日

尺度に使われる形容詞(その1)


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岸田隆之・早坂信・奥村直史『歴史から読み解く英語の謎』(教育出版、2002年、pp.150-1)より備忘のため書き留めておきます。


old はかならずしも「年寄りの、老人の」という意味だけでなく、成長段階をも示したのです。(後略)

(中略)

成長段階を示す意味があるのですから、生まれてからたとえ1年しかたっていなくても相手に年齢をたずねるのに old をつかってもまったく問題がありません。

なお、young も古くからある単語ですが、その意味は「成長の初期」に限定されます。一般に、長さ・大きさなどの尺度に使われるのは優勢な性質を表す語です。How long, How large とはいいますが、How short, How small とはいいません。それと同じく、old と young のどちらが幅の広い意味をもち、優位な性質を示すのかを考えれば、How young ではなく、How old がつかわれる理由がわかりますね。



(追記1)

堀田秀吾『なぜ、あの人の頼みは聞いてしまうのか? − 仕事に使える言語学』(ちくま新書、2014年、pp.23-4)より備忘のため引いておきます。

ある状況の中で、普通、標準、当たり前のものを「無標」なものと言います。/それに対して、ある状況の中で、異質、非標準、あるいは逸脱しているものを「有標」なものと言います。/たとえば、「速さ」や「長さ」や「広さ」を聞く場合には、たとえその質問の対象となっているものが、遅くても、短くても、狭くても「速さ」「長さ」「広さ」という表現で聞くのが普通です。これらは、「無標」な聞き方なのです。それに対して、「遅さ」「短さ」「狭さ」という表現で聞くのは「有標」な聞き方となります。


(追記2)

山岡洋『新英文法解説』(開拓社、2014年、p.276)より備忘のため引いておきます。

前提条件として重要な点は、受動態は有標の形で、無標の形は能動態であるという点である。「無標の形」というのは、「普通の形」「本来の形」という意味で、日常生活のレベルで言えば、眼鏡をかけずにいる人は無標の存在で、眼鏡をかけている人というのは有標の存在ということになる。人間は本来眼鏡をかけない状態でこの世に生まれ落ち、眼鏡をかけるには目が悪いとかファッショナブルであるとかいう何らかの理由が必ずある。文法の世界で言うと、単数形は無標で複数形は有標、形容詞の原級は無標で比較級・最上級は有標ということになる。つまり、能動態ではなく受動態を用いるということは、「それなりの事情」が必要(後略)


(追記3)

関連記事はこちらこちらを参照。



posted by 石崎 陽一 at 12:01 | Comment(2) | 文法・語法ノート | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
My son will be three years old next month.
のような文におけるoldも同じですね。three years youngとは言わない。

ちなみにオーストラリアの牧場にステイした時に子牛が生まれまして、様子をうかがいに行ったときに牧場の人がHe is one day old.と言ったのが新鮮でした。
Posted by matsuzaki at 2014年09月06日 07:47
matsuzakiさま。初誕生まもない小牛にoldを使うのは、なるほど、たしかに新鮮ですね。いただいた体験談のように、エピソードを添えると文法事項や語法情報がぐっと身近に感じる気がします。指導に役立てたいと思いました。いつもありがとうございます。
Posted by 石崎 陽一 at 2014年09月06日 08:08
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