2014年03月29日

大学生による授業見学を終えて


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これはまだ書いていませんでしたが、先月、教員志望の大学生の方が授業見学にいらっしゃいました。

「年明け1月から受験のカレンダーが始まる」ということで、この英語Uの授業では年末から入試問題を扱っています。

教材はエミル出版の Cutting Edge 2 という薄物を使用しており、Chapter 14 を扱う2時間続きの授業をまるまるご覧いただいた次第です。


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3年間の指導計画のなかで、2年1月から3月までは3年4月以降への助走期間であると私は捉えており、「読ませる」ことに重点を置きつつ、だんだんと「解かせる」ことに重心を移していく心算でいます。

かけられる時間は同じですので、「解かせる」ことに重点を置くのであれば「読ませる」ことは to the point に、いわば「内容 based」な形式の授業設計になるかと思います。

その際には正確な和訳例や解答例が不可欠になります。それを補助として用いつつ、授業では要点をかいつまんだ、つまり内容を把握しつつ設問にも答え終わる授業を4月以降は展開していくことになりますので、

そのためには生徒たちが一文一文をきちんと読める力をつける総仕上げをしておかなければならないのですね。

授業で端折った部分は和訳例を見て確認させる前提でスピードを上げ、恐らくは実際の試験問題を解いている感覚で、短時間で内容をつかんでいく形式になるわけですから、まぁその前段階をいま彼らは過ごしているわけです。

見学後、次のようなコメントを頂戴しました。


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長文読解というのは、学校現場・予備校現場では非常に指導の別れるところだと思います。学校現場では「読ませる」ことに重点を置きますが、予備校現場ではテクニック的なもの、つまりは「解かせる」ことに重点が置かれているような気がします。

帰路でもお話ししましたように、結局のところ orthodox なものに回帰するのではないでしょうか。語源は ὀρθός(orthos)で「まっすぐ、正しい、真の」という意味ですが、的を射ていると思います。印欧語根辞典の erədh- の欄にも、upright, straight, correct の意味が載っています。結局のところ、英語はひとつなのだと思います。どのように解くか、読むのかは二の次であり、まずは「読める」力をつけるべきなのだと今回の授業を見て思いました。

きちんと意味をとり、「内容 based」で読んでいくというのは地味なやり方かもしれませんが、英語の論理構造に沿い、きちんとディスコースを意識して読むと言うことはないがしろにされているかのように思います。これはあくまで「普通」のことです。しかし、その普通のことを実際にやるのが一番難しいです。正統にやることこそが correct, right なのだとまさに言葉が語っています。

省略が何なのか、この語の表す意味は何か、代名詞が指す物は何か、など色々なことが設問として問われるのも事実ではありますが、きちんと読めばなにも気にすることがないというのが正しいと思います。ディスコースを意識した読み方ができれば、小手先のテクニックなど必要ないと思います。

ペアワークも効果的で、語彙指導も非常に効果的だと感じました。チャンツの使用で声を大きく出させるという工夫は見たことがなかったので面白いと思いました。



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学校と予備校では、性質というか存在意義も、費やすことのできる時間も、受講生の意識も、ニーズも、そもそもが異なります。

さまざまな学習履歴をもつ受講生を実質半年と少しで受験まで持って行く、すなわち高校3年間で段階的に行うべき指導をそのような短期間で行わなければならないのですから、

受講生の経験してきた学校現場での指導を完全否定し、自分のこの方法こそ全てであると信じ込ませる、「斬新な」手法を用いた、いわば宗教的な指導法をとるのも仕方がないことかなと同情をしたりはします。

しかし、この方の発言にもありますが、世の中に「センター英語」とか「受験英語」とかいうものは存在せず、あるのは言語としての英語だけだと思います。とにかく英語力を高めればどこの大学にだって対応できます。

対策…というか、高3は「解かせる」普段の授業に集中させ、直前期にその大学の問題に慣れさせるといった程度で良いと思います。確かな英語力があれば対応できるはずです。

英語力がなければ対策を教わってもできませんし、力があれば時間配分を身につけつつ問題形式に慣れることで盤石となるだけにすぎないですもんね。

一歩一歩、地道に歩んでいってもらいたいというメッセージを生徒たちに向けて折にふれ私は発信しています。


posted by 石崎 陽一 at 22:53 | Comment(0) | 日々の授業 | 更新情報をチェックする
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