2014年03月29日

テクストと談話、文章


SSE_yozakura500-thumb-260xauto-1445.jpg



テクストと談話という二つの術語について、池上嘉彦『〈英文法〉を考える』(ちくま学芸文庫、1995年、pp.185-6)は次のように述べています。


具体的なコミュニケーションの場における言語使用というレベルに関わる概念であるという点では共通しているし、現実に一見たいした区別もなく用いられることも少なくない。歴史的に言うと、〈テクスト〉(text)の方はヨーロッパ系統の学者たち、〈談話〉の方はアメリカ系統の学者たちによって、いずれも〈文〉を超えたレベルの言語の問題を扱うという試みと結びついて用いられるようになったものである。日常語でのそれぞれの使われ方から来る連想という点からすると、〈テクスト〉の方は抽象的、一般的で、例えば目の前に置かれた一篇の書き物という印象を与える。それに対し、〈談話〉の方は具体的な対話者の存在を前提にして行われている会話という感じと結びつく。術語は、一般的、抽象的なのがよいという立場からすれば〈テクスト〉の方がまさっていると言えようが、一方〈談話〉の方も、このレベルでの言語運用の考察に欠かせない〈話し手〉〈聞き手〉の存在を典型的に意識させてくれる利点がある。(中略)

なお、術語としてもう一つ、国語学ではここで言う〈テクスト〉に相当するものに対して〈文章〉という用語を当てることがある。この場合の〈文章〉とは〈文〉の集まったもの、〈文〉と〈文〉がつながったもの、といった意味で用いられる。



posted by 石崎 陽一 at 21:05 | Comment(0) | 読解の学習・指導 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。
※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。
ページトップへ戻る