2014年03月02日

抽象的な内容を学ぶには強力なイントロが不可欠


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英語Uの授業では CROWNUと CROWN PLUS(level 3)を読み上げ、年明けから入試問題演習に入っています。

テキストは Cutting Edge 2(エミル出版)を用いています。

先日は高崎経済大学の入試問題を扱いましたが、出だしのパラグラフがいきなりこれですので、

かなり腕に自信のある生徒たちも困惑した表情で授業に臨んでいる様子でした。


The internet's increasing appetite for electricity poses a major threat to companies such as Google, scientists and industry executives say. Leading figures have told that many internet companies are struggling to manage the costs of delivering billions of web pages, videos and files online and the pressure to deliver could even threaten the future of the internet itself. "In an energy-constrained world, we cannot continue to grow the footprint of the internet... we need to rein in the energy consumption," said Subodh Bapat, vice-president at Sun Micro systems, one of the world's largest manufacturers of web servers.


しかしその表情自体は予想通りの反応でしたので、授業の冒頭、10分程度を費やし、

あらかじめ

インターネットの歴史, インターネット利用者数の急増ぶり, web server, data center, インターネットは電力喰いモンスター, インターネットと二酸化炭素排出量(carbon footprint)の関係, Google Green, carbon accounting, carbon debt, スマートメーター

などのキーワードを基にまとめておいたハンドアウトを使って背景知識の確認と整理を行いました。

その際、ハンドアウトもただ漠然と読ませるだけでは教室の空気が沈滞しますので、ペアを組ませ、適宜こちらから発問をし、それに対する答えを見つけたら互いに発表し合うスタイルで進めました。

そして適宜こちらから指名して全体で確認をすることで緊張感を保つ。

−−−−−−

こうしてひと通り概略を頭に入れたところで hungry とはどういう状態を指す語かと尋ねる。

お腹がペコペコの状態だと生徒たちが答える。

それはつまり何を強く欲する状態なのかとさらに尋ねる。

食べ物を強く欲する状態だと生徒たちが答える。

hungry の名詞形は? と尋ね、生徒の答えに合わせて

hunger(for food)

と板書。

では、と注意を引き、

hunger for knowledge

とはどんなことを言ってるの? と尋ねる。

ペアで話したのち「知識を強く欲する状態」との解答が返ってくる。そう「知識欲」ね。

では、hunger for fame は? − 「名声欲」との回答。

なら、hunger for electricity は?

ここから「電力需要」を引き出し、

パラグラフ冒頭の appetite for electricity につなげて本文に入っていきました。



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このようにして切り込んだ授業を同僚の先生が見学をされており、事後、次のような感想を寄せてくださいました。


導入にまず背景知識に関わる資料を用いて、内容を頭に入れてしまう方法が効果的であった。また、発問後、一人の生徒を指名するのではなく、ペアで確認させていたのは、単位時間あたりの生徒の活動量(=学習量)としては極めて効率がよく、大いに参考にしたいと思う。


抽象的な内容を学ぶには、その分野に対する総合的な理解と理由づけが必要です。つまり、強力なイントロが不可欠だと感じています。


(追記)

increasing という修飾語が付くことによって和訳が難しくなる点について、滝沢直宏『コーパスで一目瞭然−品詞別 本物の英語はこう使う!』(小学館、2006年、pp.114-9)に詳述があります。


posted by 石崎 陽一 at 17:48 | Comment(0) | 日々の授業 | 更新情報をチェックする
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