2014年01月23日

多義語の覚え方(その5)


img_c6bc637ab810fcea90ea90ab5823483105aa4f71.jpg



しかし、すべての多義語が fast-board 型の語義構造を持つとは限りません。

ある語はその語源的意味をまったく捨て去り、比喩的な連鎖作用によって語義を拡張し、次から次へと新語義を獲得していくものもあります。


比喩的な連鎖作用

その典型的な例は cardinal に見られます。

cardinal の語源はラテン語の cardo (= hinge)であって「ちょうつがい」の意味です。

扉がよく開くか否かは「ちょうつがい」の如何にかかっているので、扉の開閉にはちょうつがいはなくてはならない大切なもの、基本的なものです。

この事実から cardinal は「もっとも大切な」「主要な」「基本的な」などの意味を持つに至りました。cardinal number(基数), cardinal points(基本方位[東西南北のこと]), cardinal virtues(基本道徳)など。

「主要な」の意味は今度は人に用いられ、主要な人、特にローマ教会において主要な地位を占める人=枢機卿(ローマ教皇の最高顧問)の意を生みました。

これら枢機卿は深紅色の僧衣をつけ、深紅色の帽子をかぶるので、その服装の色から今度は色の名称となり、「深紅色(の)」の意味が生じました。

さらに、色の名は鳥の名にまで発展し、全身この色である米国産の鳴鳥の名前にまでなりました。ひいては、この鳥をシンボルとする野球チームの名称にさえなっています。



imagesCAL3TVY3.jpg





posted by 石崎 陽一 at 06:45 | Comment(0) | 語彙の学習・指導 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。
※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。
ページトップへ戻る