2014年01月21日

多義語の覚え方(その3)


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これまで fast の原義を中心に、その語義構造に及びながら、意味の発展過程を考えました。

次に、関連諸語を視野に入れて話を進めていきたいと思います。


派生語も関連づけて

形容詞・副詞の fast に -en の語尾をつけて動詞の fasten [fáːsn] ができます。

その根本的意味は前回までの記事で明らかなように “made fast, firm”(しっかりとした状態にする、定着させる)です。

fast を含む語には steadfast [stédfəst] があり、この語は stead (= place;cf. instead, steady)+ fast で「しっかりした、ぐらつかない」がその根本的意味であり、a steadfast gaze は「じっと見つめること」を、a steadfast faith は「揺るぎない信仰」のことです。

形容詞・副詞の fast と同形で「断食する」の意の動詞があります。

これは語源的には前者と同じもので、本来の意味は “hold firmly”(しっかりと抑える)であり、それから、

自分をしっかり抑える ➔ 自己抑制する ➔ 自己抑制をして〜しない ➔ 〜を慎む

などの意を通じて、特に「食物を慎む」の意味へと限定的に発展し、現在の「断食をする」「絶食する」の意味を持つに至りました。

breakfast(朝食)は break(破る) + fast(断食・絶食)の合成語で、前夜から朝まで続いた絶食状態を初めて破るのが朝食にあたるので、このように呼ばれたものです。

なお、break one's fast という表現がありますが、これには「絶食後に食事をする」の意と「朝食を」とるの両意があります。


posted by 石崎 陽一 at 03:05 | Comment(0) | 語彙の学習・指導 | 更新情報をチェックする
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