2014年01月08日

同義語の由来


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英語学習者が誰でも苦労することの一つは、読んでも読んでも、後から後からと、未知の単語が出てくることでしょう。

こんなにも語彙が豊富なのはいったいなぜでしょうか。

それは、実は、同一の思想を表す語、すなわち synonym(同義語)が幾通りも重複しているからです。

例えば、日本語にも「はじめる」という元来の日本語の外に、「開始」という漢語があるようなもので、

英語にも begin という元来の英語の他に commence という外来語があります。

以前の記事で触れたフランス語からの借用が盛んであったときには、特にこうした synonym が増えました。

フランス語からの借用語がまだ一般の人々によく通じていない頃には、説明のために英語を後に付け加えるというようなことが行われました。

ところが、後には、これが一種の言葉の綾として使われるようになり、必要もないのに synonyms を並べることが流行して、それが遂に一種の文体をなすに至ります。

Shakespeare の As You Like It の中に出てくる


Therefore, you clown, abandon, − which is in the vulgar leave, − the society, − which in the boorish is company, − of this female, − which in the common is woman......

(だからその方如き農夫は、よろしく断念しろと言うんだ。俗語で言えば止せ − 交際することを − 田舎言葉で言や、つきあうのを −この婦人と− 婦人というのはあの女のことだ)



などは、まだ説明的な意味がありますが、

use and wont(習慣), confess and ackowledge(告白する), really and truly 等になりますと、日本語の「二度と再び」などと同じで、単に口調を整えるためか、あるいは意味を強めるために並べてあるに過ぎません。

しかし、synonyms というものは、やがてどちらか一方が余り使われなくなるか、あるいは二つの間に微妙な意義の相違が生ずるものです。

例えば、cottage と hut を比べてみますと、同じ小屋でも、フランス語から来た cottage の方は、お金持ちが避暑に過ごすような小屋であって、hut のように貧乏くさくありません。

同じ「衣服を着る」にしても、フランス語の dress の方が、clothe より立派な衣服を連想させます。

「助けて!」と言うときに “Help! help!” と言いますが、これをフランス語で “Aid! aid!” 等と言ったら、何となく空々しくて、help ほど切実な感じを伴いません。

一般的に言いますと、フランス語からの借用語の方は洗練された感じはありますが、形式的、儀式的に傾くのに対して、

元来の英語の方は、通俗的ではあるけれども、英国人の気持ちにぴったりとあてはまるものが多いようです。


(追記)

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posted by 石崎 陽一 at 00:00 | Comment(0) | 語彙の学習・指導 | 更新情報をチェックする
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