2013年08月20日

英単語の現古辞典


Wordcraft.JPG



Stephen Pollington, Wordcraft(Anglo-Saxon Books, 2010)は現代英語から適合する古英語を引き当てる辞典。

見出語に現代英語、それに対応する古英語が示されるだけで、その解説は一切ないシンプルな造りとなっています。

古英語で作文をすることで古英語の文法に親しみたいと考えている学習者向けに書かれました。

以前、「文法のゴールは作文に」の記事で触れましたように、

私も、学生時代、古英語の学習に際しては

Anglo-Saxon Primer に抜粋されているテキストをまずは自分で和訳し、日を置いて、その和訳をもとに古英語を復元、

不明点はこの本をはじめ『古代中世英語初歩』や『古英語入門』などの文法書で確認する、

というようなことをほぼ毎日続けまして、実際、

これで古英語の文法知識がかなり身についた経験があります。

本書はゴールを古英語の作文に据えた文法学習に活用できる適書だと思います。


また、副題に New English to Old English Dictionary and Thesaurus とある通り、

本書は一種の類語辞典にもなっています。

例えば、前半の辞書部で can を引くと cunnan, magan と出て来るという次第。

(ちなみに、古英語の magan は現代英語の may の語源ですから、may の原義は「できる」だったことが看取されますね。)

そして、本書の後半は、前半で登場した単語を概念別に分類し

それぞれの概念ごとに意味的につながりのある関連語を列挙していますので、

主題や概念から出発してある特定の意味を適切に表現する語を引き当てるシソーラスとして利用することができます。

この英単語の現古辞典は特殊な実用性を満たす好著です。


posted by 石崎 陽一 at 16:29 | Comment(0) | 本の紹介 | 更新情報をチェックする
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