2013年08月09日

伝統文法の強さ


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英語の伝統文法を修めた日本人学生は、一般に、容易に他のヨーロッパ語を習得します。

この事実は広く体験されていることながら、必ずしも真剣な考察の対象になっていません。

伝統文法の強さに関して、渡部昇一『英語学史』(大修館英語学大系13、1975年、pp.505-6)は次のように述べています。


ラテン語、ギリシャ語、英語などは、それぞれ大変ちがったことばであるが、一方、彼等は依然として印欧語族に属し、共通の分析によって把握される面が多い。だからこそ、普通の日本人の学生も、中学や高校で一応、6年がかりで英文法をマスターした後は、他のヨーロッパの文法の概略は半年頃で把握するのである。日本の大学が第2外国語の文法を半年か1年であげるのも、学生の方が英文法をすでに知っているからである。(中略)伝統文法の強さは印欧諸語のどれにも、同じ基本的 terminology でアプローチでき、また分析できることである。


昨今、英文法の功罪が語られるとき、

学習者が他の欧州語を学ぶ際、英文法の知識が基礎となる

という視点を欠いているものがほとんどのように思われます。


(追記)

加藤恭子『英語を学ぶなら、こんなふうに』(NHKブックス、1997年、p.126)は、

“文法”は何のために

という小見出しの下、その目的の一つとして

第二、第三の外国語を学ぶときのためである。英文法の基本がわかっていれば、他のヨーロッパの言語に応用できる

と指摘した上で、フランス語学習における場合を引き合いに出しています。


posted by 石崎 陽一 at 03:12 | Comment(0) | 英文法史 | 更新情報をチェックする
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