2013年07月25日

言語における音変化の要因


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言語における音変化の要因について、Otto Jespersen, Language: Its Nature, Development, and Origin(London: G. Allen & Unwin, ltd., 1922, pp.260ff.)に基づいて記します。


戦争や動乱などで親が落ち着いて子供の言葉などを十分にしこむことができないとなりますと、

その結果は、子供の発音の真似が不正確となり、したがって、言語は早く変わることになります。

英語の歴史において、例えば、中英語から近代英語に移るときには、

1339年から1453年に及ぶ英仏戦争、

14世紀中頃の黒死病(the Black Death、なおこれは人口の三分の一を殺した、と言われます)、

Wat Tyler(1381年カンタベリーやロンドンで起こった反逆事件の指導者)や Jack Cade(1450年のケント反乱事件の指導者)の一揆、

薔薇戦争(1455-85年)などで、

落ち着いた家庭生活さえできない状況がありました。

また、19世紀に、町や都会の日常の卑俗語が教養人の言語と違ってきたのは、

労働者の子供がみじめな生活をしていたことに帰因します。

不正確な模倣が、親から子へ、孫へと代々重なっていくと、

初めは些細な違いであったものが、ついには非常に大きな差となり、音変化となって、歴史上に現れてくるのですね。


posted by 石崎 陽一 at 21:48 | Comment(0) | 英語史的な説明 | 更新情報をチェックする
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