2013年07月24日

ゲルマン諸言語の構造比較から見える英語の特質


ゲルマン諸言語の構造比較.jpg

(クリックすると拡大します)


ドイツ語やオランダ語などと比べますと、

英語は、古英語の屈折(語形変化)を失って

総合的言語(synthetic language)から分析的言語(analytic language)へと推移した

とよく指摘されます。

例えば、上の表を見るとわかりますように、

古英語は個々の単語といい、文の組み立てといい、

同じ低地ゲルマン語のオランダ語と類似しているだけでなく、

高地ゲルマン語の直系であるドイツ語とも酷似しています。

ところが、単語の語形変化に注意して比べますと、

古英語はオランダ語やドイツ語と同じように、

名詞や代名詞には、性・数・格の語形変化があったし、

冠詞や形容詞もこれに応じて語形を変えていました。

しかし、現代英語には、このような語形変化はほとんどありません。

また、動詞を見ましても、古英語は、人称・数・時制によって語形を変えています。

それはだいたい、オランダ語やドイツ語などにも見られることです。

要するに、今日の英語からは、屈折(語形変化)が大部分消失してしまいましたが、

そのため、語形が

alda > old, mannes > man's, gēafon >gave, sāwon > saw

というように、短くなり、

その結果、英語は、一面において、単綴的(monosyllabic)傾向を示すに至りました。


(追記)

本記事は小林智賀平『英語学概論』(東京堂、1955年、pp.331-2)に依拠しています。


posted by 石崎 陽一 at 14:07 | Comment(0) | 英語史的な説明 | 更新情報をチェックする
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