2013年06月25日

初め漠然と、あとで詳しく


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英語には副詞(句)の同格表現とでも言えそうな言いまわしがあります。

例えば、


Where's Father?−He's out in the garden.
(「お父さんは?」「外の庭だよ」)



といった具合。

まずはともあれ家屋の内か外かを明示し、ついで外は外でも庭にいると付け足す。


「はじめ漠然と、あとで詳しく」


英語には、このように、「漠然➔詳細」の情報提示の仕方がよく見られ、ひとつの特色をなしています。

CROWNUの第4課に次の一節(下線現筆者)がありますが


Another person came up with this solution: put the paper on the surface of the Earth. Go around the Earth, moving a little each time so as to pass through the next row on each circle.


この下線部ははじめ漠然と「隣の列を」と述べ、ついで詳しく「それぞれの円上を」と付け足している。

「隣の列の円を一つ一つ」

と解釈することができます。


(試訳)

別の人は次のような解法を思いつきました。すなわち、この用紙を地球の表面に置く。地球を一周するが、隣の列の円を一つ一つ通るように毎回少しずつ動いていく。


(追記1)

なお、こうした英語の表現上の特色に関して、中島文雄先生が細江逸記先生の授業を次のように回想しておられます。

中島文雄『英語の時代に生きて』(研究社出版、1989年、pp.4-5)より引きます。


第三学年になると(中略)この篤学の細江先生(中略)の教導をうけることになった。New Taisyo Reader とかいう貧弱な教科書であったが先生は学識豊富で(中略)Over the sea in France, there once lived a great general whose name was Napoleon Bonaparte. の一節を明瞭に読んで聞かされ、Over the sea は「海の彼方に」in France は「フランスに」だが、日本語では「海の彼方のフランスに」と訳しなさい、海の彼方と言っているから書いている人が英国人であることが分かる云々。


(追記2)

出来成訓『日本英語教育史考』(東京法令出版、1994年、p.252)は

細江の使った New Taisyo Reader とは、東京外国語学校での恩師上條辰藏と同級生横地良吉の編集した New Taisyo REaders 全3巻(1914〔大正3〕年、育英書院)のことであろう。

と推定しています。


posted by 石崎 陽一 at 22:14 | Comment(0) | 読解の学習・指導 | 更新情報をチェックする
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