2013年06月22日

himself であるわけ


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無理からぬことですが、hisself と綴る学習者は多いですね。

myself や yourself, ourselves からの類推でしょう。

しかし、『リーダーズ英和辞典 第3版』(研究社、2012年、p.1128)において「方言・口語」のラベルが貼ってあるように、

現代英語では himself が主流とされています。

英語史を学ぶまでは、私も、なぜ himself なのだろうと思ったものでした。

このように、いわゆる再帰代名詞には

「目的格代名詞+ self」から成る系列と、「所有格+ self」から成る系列とがあり

学習者を時として悩ませるわけですが、

二つの系列がみられる理由については

歴史的に上代にさかのぼることで、

あるいは

心理学的の立場に立つことで、

説明することができます。

荒木一雄 監修・水鳥喜喬・米倉綽 著『中英語の初歩−英語学入門講座・第5巻』(英潮社フェニックス、1997年、p.37)より引きます。


OE では self は「同じ」の意味の形容詞で、名詞や代名詞を後から修飾した。これは目的格の代名詞と共に起こることが多かった。ここから「目的格代名詞+ self」形が ME になって発達した。しかし、ME の頃になると、self はもはや形容詞ではなく名詞として解釈され始めたので、目的格代名詞が所有格代名詞に置き換えられ、myself, yourself のような self を修飾する形が生まれた。これにはもう一つの考え方がある。つまり、mē self, þē self の発音が弱まって mī self, þī self となり、同時に self が名詞と感じられてきて myself, thyself などが生じたとするものである。


posted by 石崎 陽一 at 12:29 | Comment(0) | 英語史的な説明 | 更新情報をチェックする
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