2013年05月11日

整序問題の解き方と復習時の注意点


日本語の意味を表すように、語(句)を並べかえなさい。

彼は有言実行の人なので、尊敬されている。
He is [what/says/admired/doing/he/for/he will].



【解答】はこちらを右方向にドラッグ → He is [admired for doing what he says he will].



【解説】

出典は中央大学の入試問題です。

与えられた日本語がこなれているため、なかなか手強いと感じた人も多かったのではないでしょうか。

しかし、どうぞあきらめないでください。

以下の手順に沿って解答を進めていけば、必ず正答へと至ることができます。

それでは、一緒にその道筋を歩んでいきましょう。


まず、日本語では離れている主語・動詞の部分を英訳しますと、

「彼は尊敬されている」に相当する英語として

He is admired

が得られます。

次に、残った語群 [what/says/doing/he/for/he will] を眺めまして、前置詞 for と doing に着目します。

というのも、前置詞 for は

thank;apologize;praise, admire, scold, punish;blame, criticize

といった動詞とセットで用いて、

感謝や謝罪、賞罰、非難の理由を表すことが多い

からです。

ここではこの人物が「尊敬されている」(is admired)理由として for 以下を後続させることになります。

また、前置詞の直後には名詞、代名詞を置くことになっていますので、doing を動名詞として使い、for doing という固まりを作ることができ、

He is admired for doing 〜
(彼は〜することに対して尊敬されている
➔彼は〜なので尊敬されている)

というところまで書き進めることができることになります。

ここで、さらに残った語群 [what/says/he/he will] を眺めますと、what が目に入ります。

この what を関係代名詞として用いて「…こと」の意を表す固まりを作り、doing の目的語の位置に置いてみることを考えてみるとどうでしょうか。

助動詞 will の直後には動詞の原形を置かなければなりませんから、

(✕)what he will says

という組み合わせはあり得ないことになります。

よって、

what he says he will

となり、全体としては

He is admired for doing what he says he will.

となるわけです。


さて、これで正答が得られたわけですが、皆さんの中には

「what he says he will ってどんな意味なんだろう?」

とか

「will で打ち止めにしてしまっていいのだろうか?」

などと思った人もいるでしょう。

最後にその点に対する補足をしてこの記事を終わりたいと思います。


さて、what he says he will という節の中の will は助動詞として使われていますから、

動詞の原形が後続するのがふつうですよね。

しかし、後続していない。

このように、

来るべきところに来るべきものが来ていない

場合は

語(句)の省略を疑ってみる

のが定石となります。

そして、実際に省略が行われている場合には、

省略されている要素は、既出の部分から復元することができる

のです。

復元できないようなら、そもそも省略というようなことは成り立たないはずですものね。

復元できるはずのものだから、いちいち同じことを繰り返さないですませるために、省略ということをするのです。

では、

He is admired for doing what he says he will.

という文において、will の直後に省略されている要素とは、いったい何でしょうか。

既出の部分で動詞、というと、admire か do が候補として挙がりますが、

出題者から与えられた「彼は有言実行の人なので、尊敬されている」という日本語を考慮しますと、do を復元することになるでしょう。

よって、省略を補った上で

He is admired for doing what he says he will do.

という英文を直訳すれば、

「彼は、自分がやるつもりだと口にすることをやるので、尊敬されている」となり、

結局「彼は有言実行の人なので、尊敬されている」という日本語と同内容となるのですね。

ちなみに、上例は「彼は、自分がやるつもりだと口にすることは何でもやるので、尊敬されている」ということですから、

この場合の what は whatever に近いと言えます。

『ジーニアス英和辞典 第4版[机上版]』(大修館書店、2007年、p.2173)より類例を引いておきますね。

Do what you like.
(好きなことは何でもしなさい)

He drank up what was left of the beer.
(彼は残りのビールを飲み干した)



今回、問題を解くのに扱われていたポイントとしては

日本語では主語・動詞が離れて位置しているが、英語では主語・動詞を先に記す

● admire のような賞賛を表す動詞には賞賛の理由を表す語句を後続させるのが意味上自然である

● 前置詞の直後には名詞、代名詞、動名詞を置くのがふつうである

● 来るべきところに来るべきものが来ていない場合は語(句)の省略を疑ってみる。実際に省略が行われている場合には、省略されている要素は、既出の部分から復元することができる。


が挙げられます。

このように、いわゆる G-MARCH レベルの入試問題における整序問題では、

1つの問題につき、2つ以上のポイントが盛り込まれていることが多い

のですね。

問題演習の際、解きっぱなしにするのではなく、問題を解くのに扱われていたポイントを一つ一つ点検し、自分のものにしていくことが実力の伸張には欠かせません。

そして最終的には「彼は有言実行の人である」の意味で

He is admired for doing what he says he will.

という英文がすぐ口をついて、手を動かしてすぐ出てくるよう

音読・筆写を重ねていく姿勢が、発信力アップにつながっていくのですね。


posted by 石崎 陽一 at 12:59 | Comment(2) | 入試問題・英語 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
整序問題を扱った問題集の解説でもwhat he says he willの部分が解説されておらず、使っている方もなんとなくわかったようなわからないような気になって終わってしまうことが多いようです。今回のような『実際に省略が行われている場合には、省略されている要素は、既出の部分から復元することができる』という解説がつくと勉強する側は、最後のつっかえていた部分がすべて取れてすっきりした気持ちになるのでしょうね。名解説ありがとうございました。
Posted by 山岸洋一 at 2013年05月12日 16:43
山岸先生。コメント深謝です。過褒なお言葉を頂戴し嬉しくも恐縮しております^^; 省略の現象は多様で、それに応じて、省略の仕方もまた多様ですが、ごく限られた代表的な現象によりながら、英語における省略の性質を学習者に伝えていけたらと考えております。
Posted by 石崎 陽一 at 2013年05月12日 17:44
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。
※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。
ページトップへ戻る