2012年12月31日

提示の there 構文


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田中実『英語構文ニュアンス事典』(北星堂、1988年、pp.344-5)より備忘のため書き留めておきます。


(1)In my right hand is a key.
(2)In my right hand there's a key.

(1)は、右手を差し出して、「(ほら)ぼくの右手にキーがあるだろう」と言うような場合で、(2)は、右手を背中の後に回して、「ぼくの右手には(実は)キーがあるんだ」と言うような場合である。つまり、(中略)(1)は〈目の前にあるものを示す〉場合に用いられ、(2)は〈目の前にないものを思い浮かばせる〉場合に用いられる。

(中略)

ところで、昔話をするとき、その出だしのきまり文句の1つに、「昔むかし、ある村に、1人のおじいさんが住んでいました」といった言い方がある。

これを英語で表すと、通例、there 構文を用いて、Once upon a time there lived an old man in a village. となる。では、なぜ、there 構文を用いるのか。

それは、想像上の人物を〈聞き手の頭の中に思い浮かばせる〉ためには、話の導入機能を持つ there 構文を用いるのがぴったりだからである。



(追記)

安井稔『英語とはどんな言語か−より深く英語を知るために−』(開拓社、2014年)より引きます。

There 構文の there には、強勢がなく、通例、[ðə] と発音される。これは定冠詞 the と同じ発音である。「そこに」という意味の there は、しっかり [ðeə] と発音する。(p.28)

存在を表す there 構文、たとえば There is an apple on the table.(テーブルの上にリンゴが一つある)の出だしは、通例、[ðeəríz] ではなく [ðəríz] である。(p.116)


posted by 石崎 陽一 at 01:24 | Comment(0) | 文法・語法ノート | 更新情報をチェックする
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