2012年09月15日

1と2、あとはたくさん


P1024537.JPG


加藤良作『数詞って何だろう』(ダイヤモンド社、1996年、pp.89-90)では


古い時代には、1, 2 のあとは「たくさん」であったと考えられる痕跡を多く見ることができる。


として次の例が挙げられています。


● 日本語では三の第三の意味として「たびたび」「しばしば」があり、三軍の第二の意味として「大軍」がある。(諸橋轍次『新漢和辞典 四訂版』(大修館書店)による。)

● 英語の古語 thrice には「続けて3回」のほか、形容詞とともに用いると「非常に」の意味が出る。

● フランス語の tres には「はなはだ、大変」という意味がある。

● ラテン語で3を表す trēs は trans「越えて、遙か向こうに」に関連した語である。



そして、


3をたくさんと感ずる人々にとっては、1, 2, 3で数の1つのまとまり(あるいは全体)との意識が潜在的にあったように思われる。


という指摘がなされており、興味を引かれた次第です。


(追記1)

「一度や二度に限らず」の意の「三」は「再三注意する」や「三顧の礼を尽くす」などの表現に見られますね。

(追記2)

寺澤芳雄 編『英語語源辞典(縮刷版)』(研究社、1999年、p.1432)は、thrice-blessed(非常に恵まれた)など、強調の副詞としての(highly の意味の)thrice を含む複合語を Shakespeare が多用している点を指摘しています。

また、複合語以外の用例としては『小学館ランダムハウス英和大辞典』(小学館、1994年、p.2824)に

I should be thrice a fool if I did it.
(もしそんなことをしたら大ばか者だろう)


という用例が記載されています。


posted by 石崎 陽一 at 12:36 | Comment(0) | 興味をもったこと | 更新情報をチェックする
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