2012年07月30日

名詞・代名詞の解釈


DSCN0493s.jpg


“Here you are.”の意味について、江川泰一郎氏は『語学教育の基礎(上) 教室英語の文法』(研究社、1972年、pp.141-2)の中で次のように述べておられます。(下線は原文のママ。)


もう一つは、“This is what you want.”/“Here is what you are looking for.”の意味で、日本語で言えば「はいどうぞ」「はいここにあります」の気持を表し、相手の欲しい物・捜し物を差し出すときに使うものです。


名詞・代名詞の解釈にまつわる論はこのように You=what you want という解釈から出発し、次のように展開していきます。


英語ではよく You are right. と言います。この場合は you=what you say で、人間そのものを指すわけではありません。I can't follow you. は「君と一緒に歩いてついて行けない」の意味にもなりますが、I can't follow you. Will you please speak more slowly? となれば、やはり you=what you say で、歩いてついて行くことではありません。(中略)早い話が You are right./I can't follow you.(Will you speak more slowly?)は日本語でも「は正しい」「について行けない」と言い、一々、「君の言うことは正しい」「君の話について行けない」と言わないでもよいわけです。


ところが、と続きます。


Listen to me carefully. はどうでしょうか。「注意してを聞きなさい」では日本語になりません。「注意して私の話を聞きなさい」です。Do you understand me? も同じで、これを「僕が分かりますか」としたのでは、日本語としては親父の臨終の床にかけつけた息子のセリフになってしまいます。


ユーモアを交えてこう語られた上で、抽象へと向かいます。


ここまで来れば私のいわんとすることが、はっきりすると思いますが、要するに英語では、日本語の場合よりも、「人間」に重点を置いた表現を使うという特徴があります。「人間」を表す語(名詞・代名詞)によって、その人間を中心としてその時の状況から察せられるものを表すのです。


そして最後に再び適切な用例の提示(とコメント)がなされて補強がなされ、名詞・代名詞の解釈にまつわる論にけりがつくことになります。


I heard him coming upstairs. は日本語ならば「私は彼が2階へ上って来る足音を聞いた」としなければ不自然なのです(後略)

(中略)

“A shark! Come back! Come back!”the gunner shouted at the top of his voice, but they did not hear him.

Grandfather heard the car and came out to see us.



posted by 石崎 陽一 at 15:42 | Comment(0) | 読解の学習・指導 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。
※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。
ページトップへ戻る