2012年07月28日

前置詞で始まる関係詞節は意外な内容を提示する


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千葉大学・久保田正人先生が運営されている英語質問箱というサイトがあります。

その質疑応答の中で興味を引かれたやりとりを備忘のため書き留めさせていただきます。


:質問「前置詞+関係代名詞」へのご回答で、「前置詞で始まる関係詞節は、意外な内容を提示するときに用いられる形式です」とお答えになっています。どうして関係代名詞の前に前置詞が付くとそのような意味になるのでしょうか。


:この構文の意味を最初に指摘したのは Bolinger (1974) "On the passive in English," LACUS 1974. だと思います。関係代名詞に that を用いる場合(既知の内容を導く)と、wh 語を用いる場合(未知の内容を導いたり、忘れかけている聞き手の記憶を呼び起こす)との意味のちがいをふまえて、前置詞付きの関係詞節構文では、関係代名詞は必ず wh 語をとり、that はとらないという事実から、そのような関係詞節構文は聞き手にとって意外な内容を表すとしています。以下は「ルルドの泉」に関する文章です。

In the year 1858 the Blessed Mother, Mary, appeared to a 14 year old girl, Bernardette, near Lourdes in France in the grotto of Massabide. At Mary's request, she scooped a hole in the ground, from which a spring of water began to flow. Since then, countless miracles have occurred there.

from whichの部分に、「すると、そこから、・・・」といった驚きの感じがよく出ているでしょう。



(追記)

大修館書店『英語教育』2009年9月号(p.57)所収、渡部昇一「アングロサクソン文明落穂集[440]きまぐれ文法論に御用心」より関連記事を引いておきます。


桂冠詩人の John Driden が1672年に書いた随筆の中で、文の末尾に前置詞がくるのは「あまり優雅な言い方でない(a less than elegant phrasing)」と言ったために、その影響は今でも残っているそうだ。関係代名詞の前に前置詞を置く書き方(at which など)はその名残らしい。



posted by 石崎 陽一 at 17:04 | Comment(0) | 今日知ったこと、得たこと | 更新情報をチェックする
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