2012年07月27日

i と j(その1)


P4244903.JPG


『特製版 英文法シリーズ 第一集』(研究社、1959年、p.108)より備忘のために書き留めておきます。(漢字は新字体に改めてあります。)


両者は本来同一文字の二つの形であり、いわば j は i の分身である。j は、起原的には、i が読み間違えられないようにという配慮から考えられたいろいろな書字法的便宜の一結果として生じたものである。即ち、古写本の小文字(minuscule)の i は小さくて目立たなかったため、隣接文字、殊に m,n,u などの縦棒(minim)と間違えられやすく、初めは無かった点(dot)をつけることが行なわれ、更に語頭の i は度々線の上か下、または両方へ長くのばされ、また語尾の i は普通線の下へのばされた。語頭で長い形が用いられたことから、それが孤立しているときにも用いられたことが当然考えられる。以上のことから次のことがわかる。一人称単数代名詞は、要するに、数字の 1(one)と同じ扱いをうけて大文字であるにすぎず、イギリス人の自己主張をあらわすものでないこと、数字における iij, viij などの書き方は古い習慣であること、など。なお、英語における語尾の -i(即ち -j)は、-y にとって代られたため、あまり用いられなかった。


posted by 石崎 陽一 at 22:08 | Comment(0) | アルファベットの歴史 | 更新情報をチェックする
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