ネイティブスピーカーと相互添削で語学学習が進められるLang-8というサイトで、「久々」と「久しぶり」の使い分けについて尋ねられました。
読者の皆さまはどう答えますでしょうか?
*
私は説明に大変悩みましたが、最近愛読している『日本語 語感の辞典』(岩波書店、2010年)によりますと
「久しぶり」は
前回から長い時間を経て同様のことが繰り返される場合に、
それを懐かしく思いながら、
くだけた会話から硬い文章まで幅広く使われる
一方、「久々」は
ほんとに久しぶりという意味で、
会話にも文章にも使われる
とあります。
さらに、「久々」には
「久しぶり」をさらに強調した感じがあり、
少々の期間のあとでは使いにくい雰囲気
がある、と書かれていました。
用例も書き抜いておきます。
久しぶりに出かける
久しぶりに会に顔を出す
久しぶりに会って旧交を温める
久しぶりの青空がのぞく
久々に作品を発表する
久々のいい天気
久々の対面
う〜む。
特に、「久々」には
「久しぶり」をさらに強調した感じがあり、
少々の期間のあとでは使いにくい雰囲気
がある、という説明には唸ってしまいました。
このように、Lang-8では毎回、日本語を見つめ直すいい機会をいただいています。
(追記)
ちなみに、和英辞典で「久々」を引きますと「久しぶり」を参照するように誘導されてしまいます。
また、同じく愛読する『新明解国語辞典』第6版(三省堂、2005年)でも「久々」を引くと「久しぶり」と出ています。
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