2012年01月18日

2012年センター試験・英語(筆記)解答のポイント(その1)


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第1問 A

一応「細かなことは普段から」というメッセージととらえておきます。

(発音と綴り字の関係の学習、語尾と第一アクセント(第一強勢)の位置との関係の学習も含めて。)

昨年(2011年)実施のセンター試験について、作成部会は

ペーパーテストで発音を問うという形式的な矛盾は解消されないが、高等学校教育への波及効果を考慮するとこのような問題は今後とも必要と言えるだろう。

との公式見解を発表しており、これを踏まえて今回の出題がなされたことを考えますと、この形式は次回も踏襲されるのでしょう。

ただ、それなら

「聴覚障害のある受験生への配慮はどう考えているのか?」

という問いに対する答えを、ぜひとも提示していただきたいものです。

問1

<u>ほどいろいろな発音をもつ文字も少ないのではないでしょうか。

[u][juː][uː][ʌ][i][e][ə]など様々ですから、個別に覚えていくより他にありません。

今回はその中でも実例の最も豊富な[juː]と比較的実例の少ない[uː]が問われています。

Cのrudeだけが[uː]で仲間はずれです。ちなみに、[uː]の発音をもつ語は他にrule, truthがあります。

問2

<ea>は[e][iː][ei]のいずれかで発音します。

調べてみると、入試では[e]と発音する語が多く出題されているようです。本問の@featherの下線部もその例です。

<e>は[i][e]の他、アルファベットの読み方通りに[iː]とも発音されます。本問ではCgeneの下線部がその例です。

AfederalとBgenderの下線部はともに[e]の音です。

問3

<gh>は[f]と発音されるか、または黙字である場合が圧倒的に多いです。

ghostやGhanaの下線部のように[g]と発音されるケースがあるにはありますが、かなりのレアもの。)

本問ではBmightyの下線部だけが黙字で仲間はずれです。そういえば、今では「オール・マイティ」などとすっかり日本語にも馴染んでますよね。

問4

<c>はe, i, yの前では[s]と、それ以外では[k]と発音します。よって、Cfacilityの下線部だけが[s]で仲間はずれです。


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第1問 B

第一アクセント(第一強勢)の位置特定は、まず語尾に注目です。

問1

-igueという語尾は[íːg]と発音します。実例はintrigue(陰謀)、そしてBのfatigueくらいに限られています。

-eeという語尾や、-eeにrを付けた-eerという語尾、そして-eerのeとrをひっくり返した-ereという語尾は、最初のeの上に第一アクセント(第一強勢)がきます。本問ではAcareerとCsincereが該当します。

なお、-ereで終わる語は少なく、interfere(妨害する)やsevere(厳しい)、ちょっと難しいですが、persevere(耐え抜く)くらいを覚えておけばよいでしょう。

問2

古典的なゴロ合わせですが、

「イアンとイオンが斑鳩(いかるが)に行く」

というのがあります。

イアンは-ianという語尾、イオンは-ionという語尾、斑鳩の「いかる」は-icalという語尾、行くは-icという語尾のことです。

百発百中、これらの語尾はその直前の母音に第一アクセント(第一強勢)がきます。

(-icには若干の例外あり。例外についてはいずれ触れる予定です。)

見出し語のreligionとCのmusicianにはこの関係が当てはまります。

また、-tainという語尾はこの語尾自体に第一アクセント(第一強勢)がきます。Aのentertainに当てはまりますね。

問3

-ityという語尾や-graphyという語尾をもつ語はその直前の母音に第一アクセント(第一強勢)がきます。見出し語のidentityやCのgeographyに当てはまります。

(-ityや-graphyなどを含めたゴロ合わせが昔からあるのですが、それはまた機会を改めてご紹介します。)

Bのelectronicsは「イアンとイオンが斑鳩に行く」の行く(-ic)に相当する語尾と見なして結構です。直前の母音に第一アクセント(第一強勢)がきます。


以上、語尾と第一アクセント(第一強勢)の位置との関係について記してきましたが、やはり一期一会のつもりでコツコツと地道に正確な発音を身につけていくのが大前提であることに変わりはありません。


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第2問 A

語彙の問題がやや増加しました。

問1

語彙の問題(動詞)。@のabsorbは何かを「吸収する」の意。衝撃などを吸収する緩衝器のことを「ショック・アブソーバー」と言いますが、shock absorberが原語です。Aのaccompanyはgo withを1語で言った感じの語。Cのappointはap-が誰か「に向かって」、pointが「指をさす」ですから「指名する、任命する」の意。正解のBadopt(採用する)のoptは名詞形のoption(選択(肢))からわかるように「選択する、選ぶ」が原義。

問2

語彙の問題(郡動詞・前置詞句)。正解は@depending onですが、基になっている“depend on A”という郡動詞には「(物事が)Aによって決まる、A次第だ」の意味があるのに対し、類義表現であるrely onではその意味は表せません。

なお、“depending on A”は本来は分詞構文で「Aによって、A次第で」の意ですが、“according to”などと同様に、前置詞句とみなされつつあります。

問3

文法の問題(時制)。by the time(〜する頃までには)はひと固まりで接続詞の働きをし、whenなどと同様、時を表す副詞節を作ります。時を表す副詞節では未来の出来事を述べるのに現在形を使うのでした。主節の内容から判断して文全体が未来の話だとわかるからです。よって、@のarrivesを選びます。実質1択問題。

問4

後半部のand以降をみますと「ブレーカーが落ちた」とあります。よって、前半部にはその原因となる状況、すなわち、「同時に電子レンジ、トースター、暖房、すべてをオンにしていた」という内容がくれば自然です。Aのonを選びます。

問5

語彙の問題(形容詞)。空所が不定冠詞のaとdropという名詞の間にはさまっていることから、この空所にはどんなdrop(落下)かを述べる語が入るはずです。

@のcircularは下線部がcircle(円)に酷似しているように「円(形)の」の意味。Aのcubicはルービック・キューブのcubeに酷似しているように「立(方)体の」の意味。Bのhorizontalはhorizon(水平線)という語が入っていることからわかるように「水平の」の意味。いずれも「落下」とは結びつきません。このように、消去法からも正解のCvertical(垂直の)を導けます。

問6

語彙の問題(名詞)。「あなたが留学プログラムに応募できるのは教わっている先生の推薦状があるという(  )に基づいて」ということですので、@のcondition(条件)を選びます。

問7

語法の問題(不定代名詞)。「ダイキの妹さん、双子らしいね。2人に会ったことある?」との質問に「いや、まだそのどちらにも会ったことないよ」と応じます。「2人(2つ)のうちどちらも〜ない」はneitherの出番ですが、本問では空所の前にhaven't metとすでに否定語が出ていますので否定の“n”のない方、すなわちeitherの方を選びます。

問8

語法の問題(使役動詞)。使役動詞letに注目します。「let+目的語+動詞原形」の型で使いますので@を選びます。実質1択問題。

問9

文法の問題(関係代名詞)。「シオリってどの子?」との質問に「ぼくが少し前にしゃべっていた子だよ」と応じます。直後に動詞が続くという空所の位置的にBやCの可能性が一瞬頭をよぎりますが、どちらを選んでも前置詞withの目的語が不足したままになりますので不可。ここは@の I を選びます。前置詞withの目的語が先行詞として前方に移動し、目的格の関係代名詞whomが省かれていると考えるわけです。

問10

語彙の問題(群動詞)。「自分の職務をさらに効果的に(  )ため、懸命に英語力を高めようとしていた」という文意から「遂行する」のcarry outを想起します。


(追記1)

四国英語教育学会の紀要論文に次の一節が見られます。

この段階で暴露してもすでに時効になっているとは思うが、(中略)最終的には(中略)リスニングテスト導入までの暫定的措置として、単語と文レベルのストレスに限定して発音問題を出題するという結論に達した。その後、その申し合わせがそれ以後の出題委員にどの程度受け継がれて行ったかについては知るよしもないが、2006年1月(中略)にリスニングテストが導入されたにもかかわらず、発音問題は筆記テストから姿を消すことはなかった。


(追記2)

黒田龍之介『寝るまえ5分の外国語 語学書書評集』(白水社、2016年、pp.146-7)は

2001年に発行された『フランス語大学入試センター試験問題集』は「出題傾向と学習の要点」の項に

発音は正しく発音できることが大切ですが、マークシート方式の制約から、つづり字と音との関連についての設問です

とあると指摘しています。


posted by 石崎 陽一 at 23:37 | Comment(2) | センター試験・英語 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
ご無沙汰しております。
遅まきながら、『ユメブン』を購入いたしました。
う〜ん、これは良いですね!
もう少し学年が進んだら使わせるかなぁ、と思いました。
うっしっし。
Posted by K2 at 2012年01月20日 23:11
K2さま。ご購入いただきありがとうございます。本書で扱う文法項目は厳選していますが、暗唱例文だけでなく設問の英文まで暗唱できれば、たいていのことは表現できるのではないかと英文を作りながら思いました。きっと生徒さんのお役に立てるのではないかと。何卒ご贔屓にお願い申し上げます。
Posted by 石崎 陽一 at 2012年04月01日 01:14
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