2011年07月08日

三好助三郎『独英比較文法』(郁文堂、1968年)


P4154890.JPG


活字が小さいのとレイアウトに工夫がなく読みにくそうなので
初めは敬遠していました。

パラパラ目を通してもドイツ語ばっかり、肩が凝りそうで文字通り
「積読」していました。

しかし、ひとたび通読を始めるととにかく面白い。

目の洗われるような記述、「そうだ」と膝を打ちたくなるような記述、
「なるほど」と感心してしまうような記述の宝庫。

例えば、

英語では受動態は、ドイツ語よりもひんぱんに用いられる。それについては、イギリス人の考え方が客観的であり、客体を強調することが好まれるためとも説明せられている。しかし英語では他動詞が、ドイツ語よりもはるかに多いこと、またS+V+Oの配語法が厳格なため、強調せらる目的語を文頭に出すための手段として、受動態が用いられることが、大きな理由であろう。ドイツ語では受動態は、形式的で冗長なため、口語では好まれない。そのために受動態に代わる他の表現を求めようとする傾向が強い。

…という調子のコメントが随所に満載されているのです。

このようなコメントよりも事実の羅列の方が役に立つという記述主義的発想もあるでしょうが、私にはこういったコメントがたまらなく面白いのです。

面白く、かつためになる(interesting and instructive)良書です。


(追記)

上記の引用は『上掲書』(p.188)より行いました。


posted by 石崎 陽一 at 20:14 | Comment(0) | 本の紹介 | 更新情報をチェックする
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