2011年02月27日

東京大学・2011年入試問題(英語)解答のポイント(その1)


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東京大学の2011年入試問題(英語)に、リスニングを除いた90分間でトライしました。

簡単に感想というかコメントを記します。


まずは全体の問題構成をざっと眺める。

リスニングでディクテーションがなくなっている。

書きかえ問題がなくなり英作文2題に戻った。

あとは従来通りのセット。

最後の総合問題の素材は物語文に戻った。

英作文で問われているポイントとお題を頭に入れていよいよスタート。


第1問(A)

3段落から成る英文を70〜80字の日本語で要約する問題。

英文自体は具体例がわかりやすく、また対立軸が明確で読みやすい。

一番重要な意見をまとめた要旨に、各段落の要点などを加えていく。

この字数の日本語なら1センテンスで述べた方が読みやすいでしょう。

約13分。


第1問(B)

欠落している段落を元の英文に戻す、段落整序問題。

元の英文には空所が(a)〜(e)の5箇所設けられている。

今回も選択肢にはダミーが1つ含まれ、不要となる段落および(b)と(d)に来る段落を答える。

英文自体は語彙もやさしく、素材が物語文ということもあって読みやすい。

入口の段落と出口の段落の内容を頭に入れ、選択肢の各段落を定石通り指示語や論理関係を明示する標識に注目しつつ点検。

“put * arm around *”のリフレインから(e)の空所がまず埋まった。

「初め漠然と後で詳しく」という英文特有の展開を意識すれば、第1段落最終文“a world he fears has a dark and difficult future”の具体化が選択肢(ア)というのは明らかで(a)が決定。

選択肢を見比べている間に段落(オ)の“those things”が指示する内容が与えられた情報の中にはどこにも見当たらないことに気がつき、不要となる段落が決定。

段落(ア)の発言内容を受けて段落(カ)第1文で“what was being said”とまとめていると考えれば自然な流れとなるので(b)が決定。

選択肢の残りは(ウ)と(エ)だけど段落(イ)および最終段落に感じられる明るいトーンにつながる(エ)の方を(d)に入れるのがいい。

約8分。


第1問(C)

これまでは段落整序問題の中に組み込まれていたのが独立した。

ある段落に含まれる文のうち取り除いても展開に最も影響の小さいものを抜き取るweedingの問題、欠落した文を段落中の適切な箇所に戻す問題、そして文章全体の趣旨を選ぶ問題。

全体として読む分量が多くなりどこかで時間調整しないとなぁと思いつつ解き始める。

トピックはコーヒーハウス。

私の専門に関係する内容であり、事前知識があるおかげで相当読みやすかった。少し時間を節約できた。

約7分。


第2問(A)

対話文の空所にふさわしい英文を15〜20語で書く問題。

それぞれの空所のあとに“Yes, that's true.”“I guess you're right.”と続くことを念頭に、対立する内容を作文する。

書くべき内容はすぐに頭に浮かび構想メモをとるが、制限時間を意識しているのでなかなかスリリングだった。

約10分。


第2問(B)

“It is not possible to understand other people's pain.”という英文の内容について「思うところ」を50〜60語の英語で記す問題。

「understandとpainは、それぞれ一回しか用いてはならない」という縛りがあって苦しい。

約15分。


第4問(A)

英文から文法上取り除かなければならない語を抜き取るweedingの問題。

左から右に展開を予測しながら、文構造をつかんでいく。

個人的には得意な問題。

(1)“Among”という前置詞で文が始まっているので“MVS”の展開が予測できる。“was”を目にした瞬間に次の“for”が不要とわかる。

(2)“The sacrifices”という名詞に対する修飾部がどこまでかを丁寧に追うと同時に述語動詞を探す。連鎖関係詞節がうるさいが東大受験生で惑う人はいないだろう。

(3)“Not only did”で文が始まっているので倒置の崩れを点検するが異常なし。“a people”は文脈上問題なし。自信を持って3行目に目を移すと“became consisted of”が目に入る。なんだ結局は語彙の問題か。

(4)一見して“reduce to”に目がいくが、“reduce A to B”のAが“to B”をまたいで後置されている造りなので問題なし。そもそもこのセンテンスは“Science sometimes simplifies things”で主要素は出きっていて“by producing theories”以下修飾部が長らく続く格好。そう見ていけば“the same law phenomena previously considered were unrelated”で“were”が不要なのは即断できる。

(5)“However〜,SV”の格好なので、“however”を用いて譲歩の副詞節を書く場合の注意点を点検。“however”の直後に“hard”という副詞が来ているのでOK。副詞節中に助動詞“may”が現れるのも問題なし。ただその後“may have had been”は大いにまずい。

トータルで約3分。


第4問(B)

英文を和訳する問題。従来通り下線が3本引かれている。

これも従来通り、語彙や構文はシンプルだが日本語で表現しづらい箇所が問われている。

下線部(1)

“technological inventions”の具体例が下線部の直後“such as”以下に挙げられている。

下線の2行下、“But”以降も頭に入れて訳出に臨む。

途中でトピックがクロスワードパズルと知り興味が湧く。

下線部自体は“most commonly”を文修飾として訳出するとうまく処理できる。

下線部(2)

助動詞の入った受け身なので

“can only guess at whether there is a connection between A and B”

のように能動態に戻して訳出を試みる。

detective fictionに対する説明の挿入句“with obvious puzzle-solving appeal”の部分は節に解凍して処理すればいいでしょう。

細かいところだが“the 1930s boom”を「1930年の流行」などとしないように。これは意外といたんじゃないかな?

下線部(3)

短い制限時間のなかでは意外と和訳しづらい。

“the crossword encouraged a widespread interest in words”という前文から“thus”とつながり“From their newspapers, readers were sent hurrying”と続く。

これも“sent readers hurrying”と能動態に戻してみれば“send”が物理的に何かを「送る」意味でないことは明らか。比喩的に「追いやる、させる」という意味だと考えられたか。

“hurry”は“go”のバリエーションで「急いで行く」の意だが、だとしたら「どこからどこへ」行くのか。そう、“hurry from their newspapers to dictionaries”の“from their newspapers”の部分が文頭に出たと見抜けたか。

また、“replace”の意味も後続するbecause節の内容を踏まえて決定する必要がある。

約15分。

第5問に残り約20分弱で突入しました。続きはまたの機会に。

それでは。


posted by 石崎 陽一 at 10:24 | Comment(6) | 入試問題・英語 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
石崎先生、先般はありがとう。
ちなみに今年の東大入試ですが、リスニングが35分あったので、残りを85分で解かねばなりませんのや。高校生には結構きついよね。
 
Posted by 木村達哉 at 2011年03月06日 17:49
木村先生。コメントありがとうございます。過日はこちらこそお世話になり感謝しております。懇親会も大変いい会でしたね(^-^) さて、読み上げ用のスクリプトを基に所要時間を算出したところたしかにご指摘の通りでした。む〜ん。しんどいですね。
Posted by 石崎 陽一 at 2011年03月06日 21:50
第4問の(4)ですが、「“reduce A to B”のAが先行詞になっている」という説明されている部分がよくわからないのですが、和訳するとどうなるのでしょうか。
不躾な質問で申し訳ありませんが、よろしければお教えください。

(↓件の問題です)
Science sometimes simplifies things by producing theories that reduce to the same law phenomena previously considered were unrelated ― thus clarifying our understanding of the apparent complexity of the universe.
Posted by 英語苦手 at 2012年11月27日 15:32
英語苦手さま。はじめまして。

>“reduce A to B”のAが先行詞になっている

という箇所は

>“reduce A to B”のAが“to B”をまたいで後置されている

の誤りです。

失礼しました。

早速訂正させていただきますね。
Posted by 石崎 陽一 at 2012年11月27日 18:40
早速のお返事ありがとうございます。
修飾部"considered unrelated"との兼ね合いで目的語が後方倒置されていたのですね。
大変わかりやすい解説、本当にありがとうございました!
Posted by 英語苦手 at 2012年11月27日 22:43
英語苦手さま。

動詞の目的語を後置するのは、その目的語が長くて複雑な場合に限られます。

今回も末尾に移動された目的語 phenomena は previously considered were unrelated という修飾語句が付き、情報量が大きくなっています。

今回のようになんの区切りもないときには注意が必要ですね。いちばん確かなヒントになるのは、“reduce A to B”といった動詞の型です。

お役に立てたようで何よりです。身体に気をつけてください。健闘をお祈りしています。
Posted by 石崎 陽一 at 2012年11月28日 21:35
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