2011年01月06日

井上ひさし『本の運命』(文藝春秋、1997年)


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子供の頃に本とどんな出会い方をするかにより、その人にとっての本の価値は変わってくると思います。


本書は、戦時中の幼少時代から故郷の山形に図書館を造るに至るまでの、著者の本との付き合いの歴史を、さまざまなエピソードを交えて面白おかしく書いています。


山形県の田舎町に生まれた著者は、決して豊富な本に恵まれてはいませんでした。それでも自宅の商売用の雑誌や父親の愛蔵書を読み漁り、家庭の事情で施設に入ってからもまるで「食う」ように本を読んでいったそうです。


高校時代、映画代欲しさに寮の本を売り飛ばしてしまった話、大学図書館の館員と繰り広げた熾烈な闘い、作家になったある日自宅の床が本の重みで抜けた話など、笑ったり感心したりしながら、私は、著者の本に対する深い愛情を読みとりました。


子供に本を読ませたい大人も、そして大人自身も一読の価値ある良書です。


posted by 石崎 陽一 at 00:38 | Comment(0) | 本の紹介 | 更新情報をチェックする
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