2010年11月28日

精読の醍醐味を堪能して(その5)


PB284193.JPG


千葉大学言語教育センターの公開講座に参加して、同センター教授の久保田正人先生の導きにより英文学の名作を原文で味読してきました。


その中で特に印象に残ったことを4回にわたって記してきましたが、
このように私たち参加者は

「原文をきちんと読むとここまでわかる」

ということを体感させていただくことができました。


文学は言語の芸術ですので、当然言語を正しく理解しないと文学を味わうことはできません。


この講座は『ハリーポッター』の他、ルイス・キャロル、エミリー・ブロンテ、シェイクスピアの名作4作品の名場面を精読し新訳を与えるという試みでしたが、

知識をどのように作品理解に活かすかを目の当たりにし、渡部昇一先生の講義以来、久々に知的興奮を禁じ得ませんでした(^-^)


久しぶりに精読の醍醐味を堪能させていただき、大きな収穫ありの講座でした。


今の時代、速読による生徒の情報処理能力や通弁的な英語の運用能力を高めることもたしかに大切ですが、このような地に足の着いた読書の醍醐味もしっかりと伝えていきたいと思います。


PB284184.JPG


... the elders with whom I was bred ...
(私がいっしょに育った年長の人々 ...)

この表現は、筆者が学部の学生であったとき、福原麟太郎先生の演習で出くわしたものである。私は、括弧内に示されているような日本語に、これを訳した。先生は、すぐ、「それはどういうことですか。」と問われた。私は、同じ訳文をもう一度繰り返した。先生は「それはどういうことかね。」と重ねて問われた。私は、答えに窮した。顔は紅潮し、胸は早がねを打った。沈黙が続いた。やおら、先生は、「私が子供であったとき、大人であった人たちは、ということではないですか」と言われた。無条件降伏であった。が、そのとき大きな鱗が、はらりと、目から落ちるのを感じた。

安井稔『納得のいく英文解釈』
(開拓社、1995年、iv〜vページ)



posted by 石崎 陽一 at 12:33 | Comment(2) | 最近参加したセミナーからの気づき | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
お忙しい中,素敵な報告を有り難うございました。先生、本当に熱心に勉強されてあって,自分は全然だめだなぁなんて思いながら,それでも大学の先生のお話を、ワクワクしながら読ませていただきました。水曜日に久留米附設の大藪先生の授業見学に参ります。今年は授業見学に結構行けました。来年は大学の講義を受けたり,英語そのものを勉強するセミナーに通えるような一年にします。石崎先生、モチベーションを感謝致します。
Posted by 田中 十督 at 2010年11月28日 22:09
十督さん

コメント深謝です。自分の言葉でまとめるとやはり身になりますね。教わる立場に立つと見えてくることもありますしね。授業見学…お忙しいのに積極的に動かれる姿に私も刺激を受けてます。2011年はさらに発信力を磨いて私も世界をもっと広げていきたいと思います。
Posted by 石崎 陽一 at 2010年11月29日 04:02
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。
※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。
ページトップへ戻る