2010年11月28日

精読の醍醐味を堪能して(その3)


千葉大学の公開講座ではまず、講師の久保田正人先生とともに、『ハリーポッター』第1章の“THE BOY WHO LIVED”というタイトルを、関係代名詞の制限用法と自動詞liveの語義という観点から解釈しました。


このように文法面、語法面からのアプローチによって作品の全体像に迫り、作者の仕掛けた「何か事件が起こるぞ」という読者への暗示を体感することができるのですね。


一字一句疎かにしない精密な読みをいよいよテキスト本文に施していきます。

Mr and Mrs Dursley, of number four, Privet Drive, were proud to say that they were perfectly normal, thank you very much.

冒頭、“Dursley”という苗字をもった夫妻が登場します。


その住所が“of number four, Privet Drive”「プリベット通り4番地の住人」と書かれていますが、この番地から何を連想するでしょうか?


PB214140.JPG


実は、この住所だけでこのDursley夫妻の社会的地位がある程度わかるのですね。


まず“Privet Drive”の“drive”ですが、英語では道の種類によって名前が変わります。


道の両側に家が建ち並ぶ、そういう道のことは“street”といい、それが少し拡大されて「街」という意味が出る。また、両側に家が並んでいない、「街」と「街」を結ぶ道路は“road”といいます。


では、“drive”というのはどのような道路かと言えば、比較的土地の高い、新興住宅地を通っているような道路のことを指します。よって、住所に“drive”とあるこの夫妻は比較的裕福であることが推察される。


また“privet”は園芸をする人には馴染みの深い、垣根を作るときの代表的な木です。生け垣用の木として有名なこのイボタノキを通りの名前に冠したこの一帯は、家と家の間にフェンスのようなものをつけずに生け垣で家と家の間を仕切っている、イメージとしてはかなりいい住宅地だと推測できます。


PB214138.JPG


このDursley夫妻はそうした住宅地の“number four”「4番地」の住人というわけですが、よく知られているように、番地の振り方は日本とは違い、「4番地」といっても端から4番目ではないのですね。


欧米では通りの両側が住所で、1番地があったら通りを挟んだその真正面が2番地、斜め前が3番地、というように奇数、偶数で並んでいますので、「4番地」というのは端から2番目ということになるわけです。


これはそこそこ高い。


日本と同様、やはり角地が一番土地の値段が高いので1番地、2番地は高いのですが、4番地はそこそこ高い。


ですから、この“of number four, Privet Drive”「プリベット通り4番地の住人」という番地から、この夫妻は大金持ちというわけではない、そこそこのお金持ちというのがおおよそイメージできる、というわけです。


posted by 石崎 陽一 at 09:56 | Comment(0) | 最近参加したセミナーからの気づき | 更新情報をチェックする
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