2010年11月16日

精読の醍醐味を堪能して(その2)


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千葉大学の公開講座では英文学の名作、名場面ばかり4作品が扱われたのでしたが、

まず『ハリーポッター』シリーズから第1巻Harry Potter and the Philosopher's Stoneの第1章、本当の出だし部分を精読しました。


精読を進めるにあたり、講師の久保田正人先生より次のご指摘がありました。


“THE BOY WHO LIVED”という第1章のタイトルが含意するのは?


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liveという動詞を見るとただちに「住んでいる、暮らしている」という日本語を想起しがちですが、

「暮らしている」というからにはどこに住んでいるかに言及するため、場所を示す副詞表現が後続するのが自然です。


けれど、この“THE BOY WHO LIVED”というタイトルにはそうした場所が明示されておらず、liveが単独で使われています。


このように単独で使われた場合のliveは、実は「生き残る、生き延びる」の意味なのですね。


PB234155.JPG


ですから、と久保田先生は続けます。


boyが定冠詞をかぶっていることにも留意すると、

“THE BOY WHO LIVED”とは「生き延びたただ一人の男の子」と解せる。


ここから何か事件があった、というニュアンスが看取できる。


そして事件があったのはその通りで、この生き延びた1人の男の子というのがハリーポッターです。


また、「生き延びた男の子」というからには「生き延びていない人たち」が裏にいるわけですが、それがこの男の子の両親。


実際、この両親が殺害されたという内容が後の方で出てきます。


その殺害した本人が“the philosopher's stone”すなわち不老長寿の薬をほしがっている。それを妨げるハリーポッターの物語が第1巻です。


私たち参加者は出だし早々、早速「原文をきちんと読むとここまでわかる」ということを体感することになりました。


posted by 石崎 陽一 at 22:43 | Comment(0) | 最近参加したセミナーからの気づき | 更新情報をチェックする
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