2019年01月14日

なぜ plenty of に a を添え a plenty of と言わないか?


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本ブログの読者の方より、

なぜ plenty of に a を添え a plenty of と言わないか?

というご質問をいただきました。

以下、私なりの回答を記したいと思います。

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posted by 石崎 陽一 at 19:15 | Comment(0) | 文法・語法ノート | 更新情報をチェックする

2019年01月05日

比較構文における省略について


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國學院大學・久保田正人先生が運営されている英語質問箱というサイトがあります。

その質疑応答の中で興味を引かれたやりとりを備忘のため書き留めさせていただきます。


:The climate of Japan is milder than that of Engliand. が The climate of Japan is milder than of England. のように、than の後で the climate を省略できないのはなぜでしょうか?

というのは、Corpus of Contemporary American English で次のような文をみつけたからです。

1) China's economy was actually 49% bigger than Japan's.

2) the price of their goods in the United States is now less than in Japan.

3) education is a more significant dividing line in the political behavior of whites than of minorities.


:最も標準的な説明としては、「比較は同じ資格をもつもの同士に限られる」というくらいでしょう。the climate of Japan と that of England はともに「(ある国の)気候」を表しているので OK。China's economy と Japan's は、Japan's のような固有名詞の所有格は名詞を伴わずとも先行詞と同じ名詞の省略があると解釈されるので、OK。the price of their goods in the United States における in the US は、「米国固有の」というほど強い意味で前の名詞句を修飾しているわけではなく、たまたま米国で売られている場合の値段に言及しているだけですから、これは the price of their goods という名詞句を副詞的に修飾していることになります。つまり米国という国自体の性質に由来するものごとを表しているわけではなく、単に場所の範囲を表しているだけです。このような副詞表現は動詞句内に移しても意味は変わりません。The price of their goods is now lower in the United States than in Japan. のようにです。問題は前置詞の of が用いられている場合です。the climate of Japan における of は後続する土地に固有の性質を表します。このような強い修飾関係にある表現は分断したり一部を省略することは通例できません。than of England が許されないゆえんです。そこで問題になるのが3)の用例です。この場合の of whites/of minorities はどう解釈されるのかです。「政治的言動の境界線」というのが何を指しているか分かりませんが、この文をふつうに英文解釈してみると、「政治的言動の境界線として教育のあるなしが意味を持つのは、少数民族の人たちより白人たちの方である」というくらいでしょう。つまりこの of whites や of minorities は the political behavior を直接修飾しているというより、むしろ、「〜に関して」の意で副詞的に用いられていると考えられます。次の文も類似の構造であるように思われます。Race is even more sharp a dividing line in New York politics [today] than it was [in the early 1960s]. そうであるならば of whites と of minorities は副詞句同士で問題がないことになります。



posted by 石崎 陽一 at 21:24 | Comment(0) | 文法・語法ノート | 更新情報をチェックする

that と the one


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國學院大學・久保田正人先生が運営されている英語質問箱というサイトがあります。

その質疑応答の中で興味を引かれたやりとりを備忘のため書き留めさせていただきます。


:ある英和辞典に

先行する語が可算名詞で、下記のように of 句以外の修飾語句を伴う場合、the one も用いられる。

との記述があり、次の例文が挙げられています。

The restaurant above us is busier than the one downstairs.

This apple is not as good as the one I bought yesterday.

それならば、of 句では the one を使えない理由は何なのでしょうか?


:確かに、通例、of 句で the one が使えないことが多いですね。その理由は分からないとしか言いようがありません。ただ、すべての of 句で使えないわけではなく、例えば次の性質を持つ名詞の代わりには使えないとされています。

1)不可算名詞: advice, arrival など
2)可算名詞であっても、あるものを構成する必須の部分を表す名詞: cover(本の表紙), leg, sleeve など
3)組織内の立場あるいは人間関係を表す名詞: boss, dean, king, friend など
4)血縁関係を表す名詞: mother, father, sister など
5)目的語をとる動詞の名詞形で人を表す名詞: designer, student, supporter など

*The arrival of the king was followed by the one of the queen.(「女王の到着」のつもり)
Which sleeve did you mean? -- *The one of the dress.(「そのドレスの袖」のつもり)
Which king did you see? -- *The one of Belgium.(「ベルギーの王様」のつもり)
Whose mother is she? -- *The one of John.(「ジョンの母親」のつもり)
What kind of designer is he? -- *The one of dresses.(「婦人服のデザイナー」のつもり)

1)〜5)以外では(すべてではありませんが)使える場合があります。

The production of Madame Butterfly was better than the one of Tosca.((プッチーニのオペラについて言えば)「トスカ」より「蝶々夫人」の方が出来映えが良かった)

これ以上には分かりません。



posted by 石崎 陽一 at 21:19 | Comment(0) | 文法・語法ノート | 更新情報をチェックする

of 句で限定される名詞の冠詞


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國學院大學・久保田正人先生が運営されている英語質問箱というサイトがあります。

その質疑応答の中で興味を引かれたやりとりを備忘のため書き留めさせていただきます。


:ある英和辞典に due to lack of evidence と lack of funding という用法が載っています。名詞+of 句の形では、ほかにあるうちの1つであれば、a がつきますが、そうでない場合、of 句での限定により the がつくと考えているので、the をつけない理由が分からず質問させていただきました。


:Cobuild 英英辞典の WordBank で検索してみると、the lack of の形は 80 例あります。それらの用例を見てみると、例えば But the lack of hard evidence is not deterring other countries from following Canada's lead.(厳然とした証拠がないからといって・・・)のように、前の文脈に出ていた内容を再度繰り返す「前方照応」用法の定冠詞が多いようです。また、Although the nation spends more than £ 100 million a year on sun-care products, the lack of information on packaging is disturbing. のように、of に後続する名詞が2語以上から成っている例も目立ちます。of に後続する名詞が1つだけという例は 80 例中8例のみでした。例えば the explanation for the lack of success might be due to want of care on the part of those in whose charge he was のような例です(この場合の定冠詞も前方照応用法です)。そうすると lack of evidence や lack of funding も、証拠がないことや資金が不足していることが既知の情報であるような文脈に用いられていれば、定冠詞が付く可能性もあるやもしれないということになります。ただし、of に後続する名詞が1つだけで、しかも定冠詞が付くといった用例が少ないということにも注意すべきでしょう。要するに、lack は元々定冠詞が付きにくい名詞であるということのようです。「ある」ものを限定することは容易ですが、「ない」ものを限定するのは難しいということなのかもしれません。なお、a lack of における不定冠詞は、例えば Many families break up because of a lack of money. や An important source of dissatisfaction was a lack of challenge. のように、「任意の1つ」の意ではなく、「相当の」「まったくの」といった、程度の甚だしさを表す用法のものであると思われます。


posted by 石崎 陽一 at 21:14 | Comment(0) | 文法・語法ノート | 更新情報をチェックする

最上級形容詞の前置 ー the closest we’ll come to encountering ET の構造について


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國學院大學・久保田正人先生が運営されている英語質問箱というサイトがあります。

その質疑応答の中で興味を引かれたやりとりを備忘のため書き留めさせていただきます。


:次の文はNational Geographic Magazine の2015年5月号の記事 "It’s Time for a Conversation" からの抜粋です。(they は dolphins を指します。)

They’re a kind of alien intelligence sharing our planet − watching them may be the closest we’ll come to encountering ET.

下線部が、まるで、the closestが名詞でその後に関係代名詞節が置かれているかのように見えます。解説をお願いできないでしょうか?


:そのとおりだと思います。基本形の「come close to+(動)名詞」から形容詞の close が最上級になって関係詞節の先行詞になったわけですが、形容詞句が先行詞になる場合、前後の文脈から、その文の内容に最も適した名詞概念をかぶせて解釈すると分かりやすくなります。そのような名詞概念としては、例えば、This is the closest we can get to the beach by car. ならば「地点」でしょうし、Prior to those halcyon days at the start of the 1980s, the closest the county had come to success was reaching a Lord's final where they lost to Kent in the Gillette Cup of 1967. のような文であれば「時」でしょう(いずれも Cobuild の WordBank の用例)。watching them may be the closest we'll come to encountering ET. は「状況」の概念を加えると分かりやすくなるように思います。「イルカの行動を見ていると、将来、ET と遭遇したときも、このようなものなのだろうかと思わされる」というくらいでしょうか。come close to を最上級に強めた表現の意味(「〜もほとんど同然だ」)から考えて、思い切って、watching them may be (the closest we'll come to) encountering ET. のように括弧の部分を隠してみるのも解釈の第一歩として有効かもしれません。

posted by 石崎 陽一 at 21:09 | Comment(0) | 文法・語法ノート | 更新情報をチェックする

英語教育にも温故知新の精神が必要


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英語教育にも温故知新の精神が必要だと強く思い、いまは大塚高信博士の諸著作を読み返しています。


posted by 石崎 陽一 at 09:40 | Comment(0) | 教師論・学習指導・進路指導 | 更新情報をチェックする

違和感の解消


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The principal of the school I went to didn't talk like the teacher who all the students thought was best.


薬袋善郎『思考力をみがく 英文精読講義』(研究社、2002年、p.F)に収載の上記の英文に違和感を感じ、私的に informant をしていただいているネイティブスピーカーの方にお尋ねしました。

以下のような回答を頂戴し、我が意を得たりと頷いた次第です。

(ちなみに、件の英文は京都外国語大学の入試問題から採られたものとのことです。)

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posted by 石崎 陽一 at 09:34 | Comment(0) | 嬉しかったこと、悲しかったこと | 更新情報をチェックする

2019年01月04日

相当語(句)(equivalent(s))という概念 ー寛容と厳正ー


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例えば、the white of an egg や in short, from bad to worse などにおける white や short, bad や worse は、元来形容詞であるのが名詞の働きで用いられたものです。

細江逸記は『精説英文法汎論』(泰文堂、1942年、pp.81-2)で上記の如きを「名詞相当語(句)」と呼びました。

相当語(句)(equivalent(s))という概念に関する大塚高信氏の記述を『日本の英学一〇〇年 大正編』(研究社出版、1968年、p.216)により備忘のため書き留めておきます。


文中の機能により品詞の実際の働きを示そうという仕組み

文を五個の形にきめ、文中の機能を若干の数に決定し、各機能はどの品詞が代表するかをまず決めておいて、同じ機能がその品詞以外の品詞、または句・節によって果たされているときには、それらの語類または句・節は、本来その機能を果たすものと決めた品詞の equivalent と見てゆくと、従来ばらばらであったものが、互いに関連づけられることになって、各品詞間の関係がはっきりしてくる。


(追記)

the white of an egg や in short, from bad to worse などにおける white や short, bad や worse の如きを大塚高信氏は『英文法の知識』(三省堂、1956年、p. 25)において「名詞役」と呼んでいます。(『上掲書』(pp. 24-6, 155)および『英文法を顧みる』(大修館書店、1962年、pp.67-72)も参照。)

品詞はいわば語の籍であり、資格である。二重国籍に類した二重語籍の語もあるが、だいたい各語は名詞・形容詞・動詞…という一定の籍に属する。しかしアメリカの籍にある人が日本の外務省で働いてもよいように、名詞の語籍にあるものが、形容詞の役目をしてもさしつかえない。ただその場合でも、名詞は名詞であって、形容詞ではないのである。だから理想的にいえば、資格の名称と職の名称とは異なっているべきである。(中略)職名を表すには、便宜上、その職能を最も頻繁に果たす品詞の名称を借りて(後略)(p.25)

品詞名と役名はちょうど学校の官名と職名にあたる。教授・助教授・講師・事務官・傭員というのは品詞名で、学長・学部長・教務主任などの役名は文の要素名に相当する。学長や学部長の役を、都合で講師が代行しても、講師たる資格にかわりはないと同じく、副詞が名詞役をしているからとて、名詞ということはできない。(p.26)

なお、『英文法新講』(吾妻書房、1949年、pp.9-18)では、依然として、軍隊における(陸軍大尉、陸軍少佐などの)官名と(何々中隊長、何々大隊長などの)職名に例えていました。


posted by 石崎 陽一 at 19:28 | Comment(0) | 文法・語法ノート | 更新情報をチェックする

2019年01月01日

年賀のご挨拶


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昨年も拙ブログをご愛顧いただきありがとうございました

公私ともに年中無休

変わらず元気に愚直にやって参ります


本年も何卒よろしくお願い申し上げます




平成三十一年 元旦

(追記)

私は、英語教師として、世の中のお役に立っていきます。そして、社会に恩返しします。

もちろん第一は勤務校での授業ですが、

母校の教職課程での次世代育成、また、現職教員の研修など、自分のやってきたことをお伝えすることで、

今後の英語教育に関わっていきたいと考えています。


posted by 石崎 陽一 at 12:14 | Comment(0) | 近況報告・雑感 | 更新情報をチェックする

2018年12月31日

年末のご挨拶


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本年も残りわずかですね。

年内のブログ更新はこれで最後となります。


やはり教員のほうこそ怖れないで
前進しなければいけませんね。本当にそう思います。
難関などありません。あるのは恐れだけですけれども、
だけど失敗してもリトライできるのですから、
まずはトライする姿勢ではないかと思っております。



数年前にいただいた木村達哉先生からのことばを噛みしめながら引き続き精進していきたいと思います。

ブログをお読みの皆さま、今年も1年、ありがとうございました。

よいお年をお迎えください。


来年もよろしくお願いいたします。


(追記)

勤続20年を過ぎ、ゼロから、あらたに、やり直すつもりで再出発いたします。

毎日の授業や面会が最後であると意識し、都度、できることを精一杯やってまいります。


posted by 石崎 陽一 at 19:57 | Comment(0) | 近況報告・雑感 | 更新情報をチェックする
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